交通事故コラム

交通事故の相手が商用車でした。商用車とか営業車とか社用車とか、相手の種類によって賠償額や過失割合に違いが出ますか?

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ウサギ
営業車や社用車など、車両の使用用途によって、過失割合に違いってあるの?
ミミズク
車両の使用用途によって過失割合に違いが出ることはなく、事故の状況に応じて過失割合が変わってくるよ。
だけど、大型トラックだけは、事故を起こしてしまうと過失割合が高くついてしまうんだ。
今回の記事では、車両用途によって過失割合はどう変わるのか、損害賠償請求は誰にすればよいのかなど、詳しく見ていこう。

会社や個人がビジネスで使用する車両について、商用車、営業車、社用車など、様々な呼称があります。

しかし、ここでは、特に定義付けはせず、単に会社や個人がビジネスで使用する車両という趣旨で使用することといたします。

例えば、物や人の輸送に使われる車両、営業のために取引先に行く際などに使用する車両、業務のための移動などに使用する車両などです。

車両の用途によって過失割合に違いが出るのか

原則として、車両の用途によって過失割合に違いが出ることはありません。

道路の状況や事故の状況によって、過失割合が定まります。

しかしながら、一部、例外があります。

トラックなどの大型車両は、事故の状況などによって、大型車両にとって過失が5%~10%程度不利になることがあります。

大型車両は死角も多く、また、交差点などを塞いでしまうといった危険性などもあります。

通常の乗用車に比べて、運転手が高度な注意義務を負っていると考えられることから、事故を起こした場合の注意義務違反の程度も重くなり、過失が大きくなると考えられます。

また、バイクは、乗用車よりも類型的に有利な過失割合とされています

バイクは、乗用車と比較して交通弱者として扱われていますので、過失割合を小さくしていると考えられます。

商用車との事故の場合の損害賠償請求先

ウサギ
社用車と事故を起こしてしまった場合、社用車の運転手に損害賠償請求をすれば良いんだよね?
ミミズク
社用車などと事故を起こしてしまった場合には、その車の運転手、運転手の会社、どちらに損害賠償請求をしても良いんだよ。

商用車、営業車、社用車と事故を起こしてしまった場合、被害者は、誰に対して、損害賠償請求をすれば良いのでしょうか。

被害者は、加害者である商用車、営業車、社用車の運転手本人に対して損害賠償請求できますが、それに加えて、当該運転手の勤務先の会社に対しても損害賠償請求をすることができます。

これは、民法715条に定められている使用者責任と呼ばれるもので、会社は、従業員などの事業活動で利益を得ているのであるから、従業員などが事業活動をするに当たって第三者に損害を与えた場合には、会社がその損害を賠償すべきという考え(報償責任などと呼ばれています。)に基づくものです。

会社に責任が及ばないケースはあるのか

ウサギ
社用車の事故で、会社側に責任がないことってあるの?
ミミズク
ほとんどのケースで会社側に責任が認められないということはないのだけれど、帰宅ルートを大きく外れていたような場合、会社側に責任が生じないこともあるよ。

民法715条に定める使用者責任は、あくまで会社の事業活動による利益や不利益を問題としています。

では、会社の従業員が私的な目的で、商用車を運転して事故を起こした場合はどうでしょうか。

例えば、昼の休憩中に、お昼ご飯を食べに行くために会社の制服を着用して会社名入りの商用車を運転して事故を起こした場合などです。

厳密には、従業員がお昼ご飯を食べに行くことは、会社の事業活動とは関係がありません。

しかしながら、使用者責任は、外形的に業務と見えるかどうかを判断基準としています。

ですので、会社の制服を着用して社名入りの商用車を運転しているという外形をもって、使用者責任の適用がある(会社が損害賠償責任を負う)という可能性は高いと考えられます。

また、民法715条では、会社が①従業員の選任及びその事業の監督について相当の注意をした場合、又は、②相当の注意をしても損害が生じるような場合は、会社は責任を負わない旨定めています。

しかしながら、実務上、会社が責任を負わないケースはあまりないと考えた方が良いかと思います。

例えば、従業員が酒に酔いながら商用車を運転して事故を起こした場合なども、一般的に、会社が従業員に対する安全教育や飲酒確認などを怠ったと判断される可能性が高い(結論として、会社が責任を負うということになります。)ように考えられます。

最後に、通勤や帰宅中に商用車を運転して事故を起こした場合はどうでしょうか。

通勤や帰宅中の事故でも会社は使用者責任負います。

しかしながら、従業員が通勤や帰宅のルートを大きく外れて商用車を使用していた場合などは、外形的に事業活動に当たらないと評価されることもあるかと思います(その場合、結論として、会社が責任を負わないということになります。)。

商用車、営業車、社用車との事故で相手方からの損害賠償額は大きくなるのか

ウサギ
社用車との事故は、損害賠償額が大きくなりやすいって聞いたんだけれど本当?
ミミズク
そうだね。積み荷などの破損によって、損害賠償額が大きくなりやすいんだよ。

商用車、営業車、社用車は、会社や個人がビジネスで使用している関係上、事故を起こしたことによって、会社や個人のビジネスに影響が出て、損害が大きくなる可能性があります。

例えば、交通事故によってトラックに積んでいた積み荷が損傷した場合などは、当該積み荷が交通事故によって破損したことなどを立証できれば、損害賠償の対象となります。

つまり、商用車、営業車、社用車を相手に事故を起こした場合、その分、損害額が大きくなる可能性があるということです。

それに対し、例えば、事故によって、本来できたはずの商談ができず、取引がうまくいかなかったという損害はどうでしょうか。

このような損害は、法律上、特別損害と呼ばれており、加害者が特別損害を予測できたかどうかで判断されます。

一般的に、交通事故の当事者は、お互いのことを知りませんし、相手方が商談に向かっていたか否かも知りません。

多くの場合、このような損害は損害賠償の対象とはならないものと考えられます。

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阿部栄一郎

阿部栄一郎

四季の風総合法律事務所所属。

早稲田大学法学部、千葉大学大学院専門法務研究科(法科大学院)卒業。2006年司法試験合格、2007年東京弁護士会登録。
都内の法律事務所勤務、弁護士法人丸の内ソレイユ法律事務所を経て、2026年四季の風総合法律事務所にパートナー弁護士として参画。交通事故、不動産、離婚、相続など幅広い案件を担当するほか、顧問弁護士として企業法務も手がける。ソフトな人当たりと、的確なアドバイスで依頼者からの信頼も厚い。交通事故では、被害者加害者双方の案件の担当経験を持つ。(所属事務所プロフィールページ

■ご覧のみなさまへのメッセージ:
交通事故の加害者・被害者には、誰でもなり得るものです。しかしながら、誰もが適切に交通事故の示談交渉をできるわけではありません。一般の人は、主婦が休業損害を貰えることや適切な慰謝料額の算定方法が分からないかもしれません。ましてや、紛争処理センターや訴訟の対応などは経験のない人の方が多いと思います。保険会社との対応が精神的に辛いとおっしゃる方もいます。
不足している知識の補充、加害者側との対応や訴訟等の対応で頼りになるのが弁護士です。相談でもいいですし、ちょっとした疑問の解消のためでもいいです。事務対応や精神的負担の軽減のためでもいいですので、交通事故に遭ったら、一度、弁護士にご相談されることをお勧めします。

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