後遺障害7級って重い症状なの?
今回の記事では、後遺障害等級の症状や、慰謝料の相場について、詳しく見ていこう。
目次
後遺障害7級の概要
交通事故における後遺障害とは
交通事故における後遺障害は、交通事故によって負った傷害等の残存症状のことをいいます。
そして、当該残存症状を等級によって評価するという制度が存在します。
後遺障害の等級は、自動車損害賠償保障施行令の別表に定められており、別表には、別表第一と別表第二があります。
別表第一には、介護を要する後遺障害が定められており、等級としては第1級と第2級のみが定められています。
別表第二は、後遺障害が定められており、等級としては第1級から第14級までが定められています。
ちなみに、第1級が最も重く、第14級が最も軽い後遺障害となっており、等級に該当しない場合は非該当となります。
なお、別表第二には、介護を要するか否かについての記載がありませんが、等級の重い後遺障害が残存した場合は、実務上も介護が必要と認定されることもあります。
今回、解説するのは、自動車損害賠償保障施行令別表第二に定められている第7級のことで、以下、単に後遺障害7級といいます。
後遺障害7級の概要
後遺障害7級は、上記で述べた1級から14級の真ん中あたりの等級です。
自賠責保険金としては支払われる保険金は1051万円、目安として定められている労働能力喪失率は56%となっています。
真ん中あたりの等級といっても、比較的、重い後遺障害であると考えられます。
内容の詳細については、後述しますが、例えば、
- 1眼が失明し、他眼の視力が0.6以下になったもの
- 1手のおや指を含み3の手指を失ったもの又はおや指以外の4の手指を失ったもの
といった症状が後遺障害7級に該当します。
後遺障害7級の内容
以下の表の内容が後遺障害7級の症状で、1号から13号まであります。以下、解説していきます。
号 | 内容 |
1 | 1眼が失明し、他眼の視力が0.6以下になったもの |
2 | 両耳の聴力が40センチメートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度のなったもの |
3 | 1耳の聴力を全く失い、他耳の聴力が1メートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの |
4 | 神経系統の機能又は精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの |
5 | 胸腹部臓器の機能に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの |
6 | 1手のおや指を含み3の手指を失ったもの又はおや指以外の4の手指を失ったもの |
7 | 1手の5の手指又はおや指を含み4の手指の用を廃したもの |
8 | 1足をリスフラン関節以上で失ったもの |
9 | 1上肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの |
10 | 1下肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの |
11 | 両足の足指の全部の用を廃したもの |
12 | 外貌に著しい醜状を残すもの |
13 | 両側の睾丸を失ったもの |
1号
1号は、「1眼が失明し、他眼の視力が0.6以下になったもの」です。
失明とは、眼球を亡失(摘出)したもの、明暗を弁じえないもの、及び、ようやく明暗を弁ずることができる程度のものをいいます。
つまりは、眼球を失ったり、明るさを感じることができなくなったり、ほんのわずかな光や手の動きを弁別できる程度の能力しか残っておらず、矯正視力でも0.01未満程度の能力しか残っていない状態のことをいいます。
また、後遺障害における視力は、矯正視力のことをいいます。
矯正視力とは、メガネやコンタクトレンズによって矯正された後の視力のことをいいます。
視力が0.6以下になったというのは、このような矯正を行ったとしても、視力が0.6までしかないという状態をいいます。
2号
2号は、「両耳の聴力が40センチメートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度のなったもの」です。
耳の後遺障害の場合、1耳と両耳の後遺障害でそれぞれ後遺障害の等級が設けられているのですが、2号は、両耳で評価する後遺障害です。
一般的に、聴力は音の大きさを聞き取る能力と音を正確に聞き取る能力とに分けられます。
前者は、dbという音の大きさの単位で測定され、純音聴力検査という検査で測ります。
ちなみに、皆さんも、工事現場等に設置されている騒音計に〇〇dbと表示されるのを見たことがあるかと思います。
健常者の場合は0dbの音を聞き取れる、軽度難聴者の場合は30db以下の音を聞き取れない、中度難聴の場合は50db以下の音を聞き取れない、高度難聴の場合は70db以下の音を聞き取れない、聾者の場合は100dbという大きな音も聞き取れないなどといわれます。
また、後者は、語音聴力検査という検査によって測ります。
「ア」、「イ」といった語音が使われ、音の大きさと聞き取ることのできた正解率を測ります。
そして、最高明瞭度〇〇%といった形で表記されます。
2号は、両耳で50db以下の音を聞き取れず、かつ、最高明瞭度が50%以下の状態をいいます。
3号
3号は、「1耳の聴力を全く失い、他耳の聴力が1メートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの」です。
聴力についての説明は、上記イの2号と同様です。
3号は、1耳で90db以下の音を聞き取れず、かつ、他耳が60db以下の音を聞きとれない状態をいいます。
4号
4号は、「神経系統の機能又は精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの」です。
4号の後遺障害は、高次脳機能障害と呼ばれており、ここで詳細を述べることは難しいのですが、典型的には、脳の器質的損傷(物理的に損傷するという意味です。)を原因として、脳が司っている能力を一部失うということです。
後遺障害7級は、あくまでイメージですが、半分程度の能力を失うものと考えていただいていいと思います。
脳外傷による高次脳機能障害の等級認定にあたっての基本的な考え方における補足的な考え方では、「一般就労を維持できるが、作業の手順が悪い、約束を忘れる、ミスが多いなどのことから一般人と同等の作業を行うことができないもの」と示されています。
5号
5号は、「胸腹部臓器の機能に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの」です。
胸腹部臓器は、
- 呼吸器
- 循環器
- 腹部臓器
- 尿器
に分けられます。
そして、それぞれの臓器ごとに障害認定基準が定められています。
【呼吸器】
上記①の呼吸器の場合、ⅰ.動脈血酸素分圧と動脈血炭酸ガス分圧の検査結果による判定、ⅱ.スパイロメトリーの結果及び呼吸困難の程度による判定、ⅲ.運動負荷試験の結果による判定があります。
上記ⅰは、Torrという圧力単位(1Torrが1㎜の水銀柱を支えることができる力)で測定され、動脈血酸素分圧が60Torr超~70Torrで、動脈血炭酸ガス分圧が限界値範囲外(限界値範囲内は、37Torr~43Torrのもの)のものが5号に該当します。
上記ⅱは、スパイロメトリー(スパイロメーターによる測定値。%1秒量と%肺活量で測定されます。)と呼吸困難の程度で測定されるものです。
そして、以下の状態が5号に該当します。
- %1秒量が35以下又は%肺活量が40以下で呼吸困難の程度が中等度(呼吸困難のため、平地でさえ健常者と同様には歩けないが、自分ペースでなら、1km程度の歩行が可能であるもの)
- %1秒量が35超~55又は%肺活量が40超~60で呼吸困難の程度が中等度
- %1秒量が35超~55又は%肺活量が40超~60で呼吸困難の程度が高度(呼吸困難のため、連続しておおむね100m以上歩けないもの)
なお、上記ⅰの結果と上記ⅱの結果で上記ⅱの結果の方が重ければ、上記ⅱの結果を採用します。
上記ⅲは、運動負荷試験ですが、同試験によって、後遺障害7級が認定されることはありません。
【循環器】
上記②の循環器では、ⅰ.心機能低下、ⅱ.除細動器又はペースメーカー植え込み、ⅲ.心臓の弁の置換、ⅳ.大動脈解離があります。
5号は、除細動器又はペースメーカーの植え込みの場合に認定されます。
【腹部臓器】
上記③の腹部臓器にあたるものは、ⅰ.食道、ⅱ.胃、ⅲ.小腸、ⅳ.大腸、ⅴ.肝臓、ⅵ.胆のう、ⅶ.すい臓、ⅷ.ひ臓、ⅸ.腹壁瘢痕ヘルニアがあります。
このうち、後遺障害7級該当しうるのは、ⅱ.胃、ⅲ.小腸、ⅳ.大腸の障害です。
上記ⅱの胃は、消化吸収障害、ダンピング症候群及び胃切除術後逆流性食道炎のいずれも認められるものが5号に該当します。
上記ⅲの小腸は、人工肛門を装着したもののうち、後遺障害5級に該当しないものが5号に該当します。
また、瘻孔(ろうこう)から小腸の内容の全部又は大部分が漏出するもののうち、5級に該当しないもの、又は、瘻孔から漏出する小腸の内容がおおむね1日当たり100ml以上のもののうち、パウチ等による維持管理が困難なものが5号に該当します。
なお、瘻孔とは、血管、腸、又は他の管腔臓器間なので、体内と体外との間、2つの中空空間の間の異常な接続のことをいい、つまりは、怪我や病気によって体に穴が開いた状態のことをいいます。
上記ⅳの大腸は、上記ⅲの小腸と同様、人工肛門を装着したもののうち、後遺障害5級に該当しないものが5号に該当します。
また、瘻孔(ろうこう)から大腸の内容の全部又は大部分が漏出するもののうち、5級に該当しないもの、又は、瘻孔から漏出する大腸の内容がおおむね1日当たり100ml以上のもののうち、パウチ等による維持管理が困難なものが5号に該当します。
【泌尿器】
上記④の泌尿器は、ⅰ.じん臓の障害、ⅱ.尿管、膀胱及び尿道の障害に分類されています。
上記ⅰのじん臓は、じん臓のうち1つを失っており、かつ、GFR値(ml/分)(糸球体濾過値)が30超~50の場合に5号に認定されます。
上記ⅱの尿管、膀胱及び尿道の障害については、尿路変更術のうち、非尿禁制型尿路変更術を行ったもので後遺障害5級に該当しないもの、及び、禁制型尿リザボアの術式を行ったものが5号に該当します。
また、蓄尿障害のうち、持続性尿失禁を残すもの、並びに、切迫性尿失禁及び腹圧性尿失禁のために終日パッド等を装着し、かつ、パッドをしばしば交換しなければならないものが5号に該当します。
6号
6号は、「1手のおや指を含み3の手指を失ったもの又はおや指以外の4の手指を失ったもの」です。
手指を失ったとは、親指については第1関節(IP)より先が、その他の指では第2関節(PIP)より先を失ったものをいいます。
親指と他の指2指を失った場合、又は、親指以外の指4指を失った場合に、6号に該当します。
7号
7号は、「1手の5の手指又はおや指を含み4の手指の用を廃したもの」です。
手指の用を廃したものとは、親指では第1関節(IP)より先を失ったもの、又は、第1関節(IP)あるいは第2関節(MCP)のいずれかの関節可動域が正常可動域の2分の1以下に制限されたものをいいます。
また、その他の指では第2関節(PIP)より先の2分の1以上を失ったもの、又は、第2関節(PIP)あるいは第3関節(MCP)のいずれかの関節可動域が正常可動域の2分の1以下に制限されたものをいいます。
片手の全ての指の用を廃した場合、又は、片手の親指及びその他の3指の用を廃した場合に、7号に該当します。
8号
8号は、「1足をリスフラン関節以上で失ったもの」です。
リスフラン関節とは、立方骨、内側楔状骨・中間楔状骨・外側楔状骨と5本の中足骨間にできる関節のことです。
場所としては、足の甲の真ん中あたりにあると考えていただいていいと思います。
片足のリスフラン関節よりも先を失った場合、8号に該当します。
9号
9号は、「1上肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの」です。
偽関節とは、骨折部の骨癒合のプロセスが完全に停止したことをいいます。
骨癒合とは、骨折等をして離れてしまった骨がくっつくことをいいます。
つまり、偽関節というのは、病気等を原因として、骨がくっつく過程が完全に停止し、骨がくっつかない状態のことをいいます。
そして、本来では動かない方向に関節などが曲がってしまう(異常可動性)状態になることがあります。
9号は、上腕骨に異常可動性を有する偽関節を残し、硬性補装具を常に必要とする場合、又は、橈骨及び尺骨に異常可動性を有する偽関節を残し、硬性補装具を常に必要とする場合に認められます。
10号
10号は、「1下肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの」です。
偽関節や異常可動性は、上記キの9号と同様です。
10号は、大腿骨に異常可能性を有する偽関節を残し、硬性補装具を常に必要とする場合、又は、脛骨に異常可動性を有する偽関節を残し、硬性補装具を常に必要とする場合に認められます。
11号
11号は、「両足の足指の全部の用を廃したもの」です。
足の親指には、第1関節(IP)、第2関節(MP)があり、その他の指には、第1関節(DIP)、第2関節(PIP)、第3関節(MP)があります。
そして、足の親指の関節可動域は、第1関節(IP)の屈曲(曲げる)・伸展(反らす)及び第2関節(MP)の屈曲・伸展で判定し、その他の指の関節可動域は、第2関節(PIP)の屈曲・伸展及び第3関節(MP)の屈曲・伸展で判断します。
それぞれの足の指の関節可動域の合計値が正常可動域の合計値の2分の1以下に制限された場合、その足の指の用を廃したと評価します。
11号は、両足全ての指の主要な2つの関節可動域の合計値が正常可動域の合計の2分の1以下になった場合に認定されます。
12号
12号は、「外貌に著しい醜状を残すもの」です。
頭部では、手のひら大以上の瘢痕が残ったとき、頭蓋骨に手のひら大以上の欠損が残った場合に、12号に該当します。
また、顔面部では、鶏卵大以上の瘢痕・5cm以上の線条痕、10円硬貨大以上の窪みが残った場合に、12号に該当します。
さらに、耳殻軟骨部の2分の1以上の欠損、鼻軟骨部の大部分を欠損した場合も12号に該当します。
13号
13号は、「両側の睾丸を失ったもの」です。
両側の睾丸を失った場合に13号に該当します。
また、常態として、精液中に精子が存在しない場合にも準用する形で後遺障害7級が認定されます。
後遺障害7級で受け取れる賠償金の種類
積極損害
通常の傷害と同様、症状固定までの治療費、付き添い費用(歩行が困難である場合などは、成人でも付き添い費用が認められます。)、通院交通費といったものが認められます。
また、後遺障害7級9号や10号の場合、硬性補装具などを用いますが、そのような装具や器具といったものも治療関係費として認められます。
消極損害
休業損害
治療に伴って会社や事業を休んだ場合には、その分の休業損害が損害として認められます。
専業主婦のように、会社等から給与等をもらっていない場合でも、家事労働を金銭評価して休業損害が発生します。なお、賠償金の計算方法は後述します。
逸失利益
後遺障害が残存した場合、残存した後遺障害によって、労働能力を喪失し、将来的に減収となります。
この将来の減収を逸失利益といい、加害者に賠償してもらうことになります。
また、労働能力が喪失する程度のことを労働能力喪失率といいます。
なお、逸失利益の計算方法は後述します。
逸失利益は、基礎収入、労働能力喪失率及び労働能力喪失期間によって算出されますが、後遺障害7級に該当した場合、赤い本では労働能力喪失率の目安を56%と定めています。
つまり。後遺障害7級に認定された人は、半分以上も労働能力を失うということになります。
しかしながら、実務では、後遺障害の等級と労働能力喪失率を機械的に当てはめているわけではありません。
実際の後遺障害の内容とそれによってどの程度労働能力が失われるのかということを検討します。
後遺障害7級では、12号(醜状障害)や13号(生殖器の障害)が問題となります。
醜状障害が残存した場合でも、労働能力が失われない人もいます(対人関係を必要としない職業等)もいますし、逆にモデルやタレントといった醜状障害が致命的になるような職業もあります。
また、睾丸を失った場合、一般的には、労働能力を喪失したとは評価されないことが多いと思われます。
ただし、今後、永久的に子どもを儲けることができないということをもって、通常よりも高額の慰謝料が認められるといったことはあると思います。
後遺障害慰謝料
後遺障害慰謝料についても、赤い本で目安が定められています。
後遺障害7級の場合、後遺障害慰謝料は1000万円です。
ただし、上記のとおり、後遺障害の内容によっては、より大きな精神的苦痛を被った(上記の例でいうと、生殖器の障害である後遺障害7級13号)ということもでき、1000万円よりも多額の後遺障害慰謝料が認定された例もあります。
賠償金の計算方法
逸失利益の場合には、労働能力喪失率がどの位になるかで、受け取れる金額が変わってくるんだ。
それぞれの計算方法について、詳しくチェックしてみよう。
休業損害の計算方法
休業損害の計算方法は、1日分の休業損害を算出した後に、休業した日数を乗じることによって算出されます。
実務でよく使われる休業損害証明書には、交通事故発生前の3か月分の給与等の記載欄があり、同記載欄の合計額を出勤日で除して1日分の休業損害を算出します。
なお、休業が休みの日なども含めて連続している場合、3か月の日数で除するという方法もありますが、その場合は、休みの日も休業した日として計算をしなければ計算が合わなくなります。
また、専業主婦などの場合は、賃金センサスを用いて、1日の休業損害を算出します。
その際には、女性の学歴計の賃金センサス(平成30年の女性の学歴計の賃金センサスは、年収382万6300円となります。)を用います。
例えば、専業主婦が交通事故によって、30日間、家事労働ができなかった場合の休業損害を計算してみましょう。
1日の休業損害1万0483円(382万6300円÷365日)×30日=31万4490円
上記計算結果として、31万4490円の休業損害が算出されました。
ちなみに、実務上は、実際に休業した日がそのまま休業損害の対象の日になるとは限らず、加害者側と争いになることがあります。
傷害の程度等も勘案して、実際に休業の必要性があったのかといったことを認定していきます。
逸失利益の計算方法
逸失利益は、基礎収入に労働能力喪失率と労働能力喪失期間を乗じて算出します。
実務的には、基礎収入は交通事故の前年の収入で認定します。
労働能力喪失率は、上記のとおり、症状や職業によって変動しますが、後遺障害7級の場合の目安は56%です。
また、労働能力喪失期間は、多くの場合、症状固定から67歳までの期間を算出し、同期間から中間利息を控除します(ライプニッツ係数という係数を用います。将来の減収を現在もらうという形をとるので、その利息分を控除するという考え方に基づいています。)。
例えば、交通事故前年の年収が500万円で、症状固定時の年齢が45歳の会社員の方が後遺障害7級9号の後遺障害を負ったとして計算をしてみましょう。
基礎収入500万円×0.56×15.9369(22年に対応するライプニッツ係数)=4462万3320円
上記計算結果として、逸失利益は4462万3320円と算出されました。
阿部栄一郎
早稲田大学法学部、千葉大学大学院専門法務研究科(法科大学院)卒業。2006年司法試験合格、2007年東京弁護士会登録。
交通事故、不動産、離婚、相続など幅広い案件を担当するほか、顧問弁護士として企業法務も手がける。ソフトな人当たりと、的確なアドバイスで依頼者からの信頼も厚い。交通事故では、被害者加害者双方の案件の担当経験を持つ。(所属事務所プロフィールページ)
■ご覧のみなさまへのメッセージ:
交通事故の加害者・被害者には、誰でもなり得るものです。しかしながら、誰もが適切に交通事故の示談交渉をできるわけではありません。一般の人は、主婦が休業損害を貰えることや適切な慰謝料額の算定方法が分からないかもしれません。ましてや、紛争処理センターや訴訟の対応などは経験のない人の方が多いと思います。保険会社との対応が精神的に辛いとおっしゃる方もいます。
不足している知識の補充、加害者側との対応や訴訟等の対応で頼りになるのが弁護士です。相談でもいいですし、ちょっとした疑問の解消のためでもいいです。事務対応や精神的負担の軽減のためでもいいですので、交通事故に遭ったら、一度、弁護士にご相談されることをお勧めします。