弁護士が教える交通事故示談交渉テクニック

慰謝料

交通事故の慰謝料が支払われないときの対策方法

投稿日:2018年1月6日 更新日:

ウサギ
交通事故の慰謝料はいつ受け取ることができるの?

シカ
事故の状況によって、支払われる時期が変わってくるんだ。

ウサギ
少しでも早く慰謝料を受け取りたいんだけれど、加害者が支払ってくれないんだ。

そんな時にはどうしたら良いのかな?


シカ
今回の記事では、慰謝料が支払われる目安や、支払われない時の対処方法などを詳しく見ていこう。

交通事故の被害者になってしまったら、加害者や加害者の保険屋と示談交渉をして慰謝料やその他の示談金の支払いを請求します。

ただ、さまざまな理由により、慰謝料が支払われないこともあります。

支払いが受けられるまでに、非常に長い期間がかかってしまうこともあるでしょう。

今回は、交通事故の慰謝料が支払われないときの対策方法について、解説します。

慰謝料支払いのタイミングとは

交通事故でケガをしたら、何かとお金が必要になります。

また、ケガによって働けなくなることもあり、そうした場合には減収が発生してしまいます。

そんなとき、早く相手の損害保険会社から慰謝料の支払を受けたいと考えるものですが、慰謝料支払いのタイミングは、いつになるのでしょうか?

実は、慰謝料やその他の休業損害、逸失利益などの賠償金は、示談が成立した後に一括で支払われるのが原則です。

そこで、交通事故後、病院の治療費や通院関係の費用、介護費用、葬儀費用などの出費があったり、減収が発生して生活費に困ったりしても、最終的に示談書を交わし、示談が成立するまでの間は、賠償金を受けとることができません。

ただ、任意保険会社が一括対応をする場合、病院の治療費については保険会社が直接病院に支払いをすることが普通です。

ただしその場合であっても、通院期間が長引いてくると、相手の保険会社は、治療費の支払いを打ち切ってしまうことがあります。

賠償金を受け取れるまで、どのくらいの時間がかかるのか

ウサギ
慰謝料を受け取ることが出来るまで、どの位の期間がかかってしまうのかな?

平均的な数字を教えて!

シカ
物損事故の場合には、比較的早く示談となるけれど、後遺症が残ってしまう場合には、等級認定を行う事になるから、慰謝料の支払いまでは非常に長い期間がかかってしまうんだ。

かかる期間の平均を見てみよう。

それでは、交通事故が起こったとき、示談が成立して賠償金を受け取れるまでにはどのくらいの期間がかかるのでしょうか?

交通事故のパターンごとに目安の期間をご紹介します。

物損事故

物損事故の場合、示談が成立して賠償金をもらえるまでの期間は非常に短いです。

車の修理費用の見積もりが出たら示談交渉を開始することができますし、争点も少ないからです。

だいたい、事故後23ヶ月もすれば、示談が成立して賠償金を受けとることができます。

人身事故(後遺障害なし)

次に、人身事故で後遺障害が残らなかったケースを見てみましょう。

人身事故では、被害者のケガの治療が終了するまで、示談交渉を開始することができません。

ケガの治療が終了するのは、ケガが完治または症状固定するまでです。

症状固定というのは、ケガの治療を施しても、それ以上状態が改善しなくなってしまった状態です。

治療期間は、ケースによってかなり異なります。

ただ、後遺障害が残らない程度の軽いケガなら、3ヶ月もすれば終わることが多いでしょう。

その後、相手の保険会社と示談交渉をして示談を成立させる必要があります。

ケースにもよりますが、交通事故後、36ヶ月くらいもすると、示談ができて賠償金の支払を受けられることが多いでしょう。

人身事故(後遺障害あり)

交通事故の中でも、もっとも示談交渉に時間がかかるのが、人身事故(後遺障害あり)のケースです。

後遺障害がある場合、まずは後遺障害の認定を受けなければなりません。

ただ、後遺障害の認定を受けるには、交通事故後6ヶ月以上治療を継続する必要があります。

そこで、後遺傷害事案の場合には、治療だけで最低半年かかることになります。

その後、後遺障害の認定を申請し、自賠責保険における調査を経て認定を受けます。


そして、ようやく加害者の保険会社との間で示談交渉を開始するのです。

後遺障害事案では、争点も多岐に及ぶので、示談交渉そのものも長びいてしまうことが多いです。

示談成立までにかかる期間は、後遺障害の内容や程度にもよりますが、交通事故の発生後、8ヶ月から1年以上かかってしまうことが多いです。

死亡事故

死亡事故の場合、いつのタイミングで賠償金を受けとることができるのでしょうか?

この場合、被害者の葬儀が執り行われた時点で、だいたいの損害額が確定します。

そして、49日の法要が済んだ頃から被害者の遺族と加害者の保険会社が示談交渉を開始することが多いです。

死亡事故の場合、被害者の遺族は大変な心痛を受けていますし、加害者の保険会社は心ないことを言ったりもするので、示談交渉が難航することもよくあります。

また、保険会社は、遺族の代表者を決めるように言ってくることもありますが、遺族の方でまとまることが難しく、代表者を決められないまま、示談交渉をせずに放置してしまうパターンなどもあります。

慰謝料を受けとることができるまでの具体的な期間として、特に大きな争点がない場合などには、交通事故後3ヶ月程度で示談できることもあります。


しかし、長びくケースでは
1年経っても示談できないことなども普通にありますから、注意が必要です。

急いで示談してしまうデメリット

ウサギ
少しでも早く慰謝料を受け取るためにはどうしたら良いのかな?
シカ
示談を急いでしまうと、何も良いことはないから注意しよう。

交通事故で、早く賠償金を受けとりたければ、早く示談を成立させるしかありません。

しかし、示談を急いでしまうと、以下のような大きなデメリットを受けるおそれがあります。

正しく賠償金を計算できない

1つ目の大きなデメリットは、賠償金の適切な金額を正確に計算できないおそれがあることです。

交通事故の損害賠償金は、完治または症状固定するまで治療を継続し、その前後で賠償金を振り分けて、項目ごとに適切に計算する必要があります。

しかし、示談を急ぐと、症状固定する前に通院をやめて賠償金を計算することになるので、本来の正しい計算をすることができなくなるのです。もちろんその場合、賠償金の金額は減ります。

また、急ぐと判断力も低下するので、適切な計算ができなくなったり、適切に相手の保険会社の言い分に反論することができなくなったりして、やはり賠償金が下がるリスクが高まります。

相手に譲ることとなり、賠償金が下がる

示談交渉などの交渉ごとでは、急ぐと不利です。

なぜなら、急ぐと、相手に譲らざるを得なくなるからです。

示談交渉で、お互いの意見が対立したとき、どちらかが譲らないと解決はできません。

そのまま膠着状態になってしまいますし、状況を打開するには訴訟をするしかありません。


どちらにしても、大変な時間がかかってしまうのです。

手っ取り早く示談を成立させて賠償金を受けとるためには、相手が折れない限り、自分が折れるしかありません

そこで、示談交渉で結論を急ぐと、どうしても、自分の方が妥協して賠償金を下げることとなり、損をしてしまうのです。

治療が中途半端になる

人身事故で、示談交渉を早期に成立させるには、早めに治療を終わらせる必要があります。

治療が続いている間は、示談交渉を開始することすらできないからです。

そこで、示談を急ぐケースでは、どうしても治療を途中でやめてしまうことが多いです。

治療が中途半端になると、ケガが完治せずに途中で放置されることになるので、後にさまざまな不具合が発生してくるおそれがあります。

また、本来受けられるはずの後遺障害認定も受けられなくなる可能性が高くなり、賠償金が大きく減ってしまうことも問題です。

 

以上のように、交通事故では、示談を急ぐとほとんど1つも良いことがありません。

賠償金を早く受けとりたい場合であっても、ある程度の期間がかかることを覚悟し、落ち着いて、腰を据えて対処することが重要です。

支払いが行われないケースとは

ウサギ
慰謝料が支払われない場合には、どんな理由が考えられるの?
シカ
時効となってしまっている場合や、過失割合が高いことが理由となっている場合があるんだよ。

次に、交通事故に遭っても、加害者から慰謝料が支払われないケースにはどのような場合があるのか、ご説明します。

時効が成立している

時効とは

1つは、時効が完成しているケースです。

交通事故で相手(加害者)に賠償金の請求ができるのは、被害者には加害者に対する「損害賠償請求権」があるからです。

損害賠償請求権は「債権」の1種であり、行使しないまま一定期間が経過すると、時効によって消滅してしまいます。

損害賠償請求権が時効消滅したら、もはや相手に被害者請求を進めることができません。

時効が成立すると、重大な後遺障害が残って一生介護を要する状態となったり、死亡事故の場合であったりしても、一切の賠償金を受けとることができなくなるので、大変な不利益が及びます。

交通事故の損害賠償請求権の時効期間は3です。

時効の起算点

時効の起算点(いつから時効期間を計算すべきか)については、各交通事故のパターンによって異なります。

  • 物損事故の場合
    物損事故の場合には、交通事故日の翌日から起算します。
    事故日の翌日から3年が経過すると、損害賠償請求権が時効消滅して、賠償金の請求ができなくなってしまいます。
  • 人身事故の場合(後遺障害なし)
    人身事故で後遺障害が残らなかった場合には、やはり交通事故日の翌日から時効期間を計算します。
    事故日の翌日から3年が経過すると、賠償金の支払を受けることができなくなります。
  • 人身事故の場合(後遺障害あり)
    人身事故の中でも後遺障害が残った事案では、後遺障害の内容が確定しないと、損害の内容が決まりません。
    そこで、後遺障害の内容が確定する、症状固定日の翌日から3年の期間を計算します。
    症状固定日の翌日から3年が経過すると、賠償金の支払いを受けられなくなります。
  • 死亡事故の場合
    死亡事故の場合には、被害者が死亡したときに損害の内容が確定します。
    そこで、被害者の死亡日の翌日から数えて3年が経過したときに、損害賠償請求権が時効消滅します。
    被害者が死亡すると、その後葬儀や法要、各種の手続きなどで非常に忙しくなり、知らない間に時間がどんどん経過していきます。
    時効にかかる前に、早めに賠償金請求の手続きに取りかかることが大切です。

時効が完成しそうな場合の対処方法

時効完成間近な場合には、相手に対する訴訟を起こすなどの方法で、時効を中断させることが必要です。

時効を中断させると、時効期間が進行を止めて、またその時点から新たに時効期間が進行するまで時効が完成しなくなります。

時効中断の方法としては、相手に債務承認させる方法と訴訟等の裁判を起こす方法があります。

保険会社と争いがあって、書面による債務承認をさせるのが難しい場合には、早めに訴訟や調停を起こし、任意保険基準ではなく、裁判基準にて慰謝料請求を行うと良いでしょう。

被害者の過失割合が高すぎる

被害者の過失割合が高すぎる場合、相手の保険会社が賠償金を支払わないことがあります。

交通事故が起こったとき、被害者の過失が高いと、賠償金計算の際に「過失相殺」が行われます。

過失相殺とは、被害者側に過失がある場合、被害者が加害者に請求できる賠償金の金額を減らすことです。

そこで、被害者の過失が大きくなると、その分被害者が加害者に請求できる賠償金が減ります。

相手の保険会社が「本件は被害者の過失割合が高い」と判断すると、当初から治療費支払いを行わないことも多いです。

保険金詐欺を疑われている

加害者の保険会社から、保険金詐欺を疑われている場合にも、慰謝料などの賠償金が支払われません。

この場合、保険会社は示談交渉に応じることもなく、一切の支払を拒絶します。

ただ、実際には詐欺などではなく正当な請求であっても、詐欺を疑われたり不当請求と言われたりすることも、中にはあります。

どうしても納得できない場合には、客観的な判断を仰ぐために、弁護士に相談に行くと良いでしょう。

相手の保険会社が慰謝料を支払わない場合の対処方法

ウサギ
任意保険会社が慰謝料を支払ってくれない時にはどうしたら良いの?
シカ
裁判を起こしたり、ADRを利用してみよう。

相手の保険会社がさまざまな理由によって保険金支払いを拒絶するとき、常に相手が正しいわけではありません。

きちんと賠償手続をとれば、慰謝料を請求できるケースもあります。

その場合の対処方法は、主に3種類あります。

調停をする

1つ目は調停を利用することです。

調停をすると、裁判所の調停委員が間に入って調整をしてくれるので、意見の対立が激しい場合でも合意できる可能性があります。

保険金詐欺や不当請求と思われている場合でも、誤解が解けるケースもあるでしょう。

ただ、基本的には話合いの手続きですから、相手に合意を強制することはできません。

ADRを利用する

次にADRを利用する方法があります。

交通事故紛争処理センターや日弁連交通事故相談センターに間に入って示談を進めたり、審査請求によって一定の判断をしてもらったりすることができる方法です。

被害者の言い分が認められたら、保険会社や共済がADRの審査内容に拘束されて、問題が解決できるケースもあります。

訴訟をする

調停でもADRでも解決できない場合には、訴訟によって決着をつけるしかありません。

訴訟をすると、お互いが法的な主張と立証を行い、裁判所が適正と認める方を勝たせる判決を下します。

被害者の言い分が正しければ、保険会社の主張する過失割合を修正することもできますし、保険金詐欺ではないと認めてもらうことも可能です。

被害者が訴訟で勝訴すれば、裁判所が判決によって、相手の保険会社に対して支払い命令を出します。

保険会社は判決に従いますので、確実に賠償金を受けとることができます。

加害者に支払能力がないケース

ウサギ
加害者が任意保険に入っておらず、お金も持っていない場合には、どうしたら良いのかな?
シカ
分割での支払い交渉などが必要だね。

慰謝料などの賠償金を支払ってもらえないパターンとして、加害者に支払い能力がないケースがあります。

この場合、被害者にはまったく落ち度がなくても、賠償金を受けとることができません。

また、訴訟を起こしても必ずしも賠償金の支払いを受けられるとは限らないので、悩ましいところです。

加害者に支払能力がない場合の対処方法

加害者に支払能力がない場合、どのように対処すれば良いのでしょうか?

以下で、とりうる方策を紹介します。

自賠責保険から支払を受ける

1つは、自賠責保険から支払を受けることです。

自賠法により、自賠責への加入が義務づけられているので、加害者は基本的に自賠責保険に加入しているはずです。

被害者から直接加害者の自賠責保険に請求することも可能なので、それにより、最低限の自賠責保険による補償を受けることができます。

政府保障事業を利用する

相手が自賠責保険に加入していない場合、政府保障事業からてん補金を受けとることができます。

政府保障事業による支払基準は、自賠責保険と同等となります。

分割払いでの支払い約束をする

加害者に支払い能力が小さいけれども、少額であれば支払えるというケースもあります。

その場合には、分割払いの合意をして、月々支払をさせるのも1つの方法です。

分割払いをする選択する場合には、必ず加害者との支払に関する合意書を「公正証書」にしておきましょう。

公正証書にしておくと、加害者が不払いを起こしたときに、すぐに相手の給料や預貯金などを差し押さえることができるからです。

また、差押えを有効化するためにも、示談の際、相手の職業や勤務先を確かめておくことが大切です。

弁護士費用特約を利用する

加害者に支払能力がない場合、弁護士に対応を依頼しても費用倒れになってしまうリスクが高いです。

そのような場合には、弁護士費用特約が非常に役立ちます。

弁護士費用特約を使うと、保険会社が弁護士費用を負担するため、被害者が自腹を切る必要がなくなるからです。

自分の自動車保険のみならず、配偶者や親などの自動車保険で弁護士費用特約を利用できるケースもあるので、交通事故に遭ったら、弁護士費用特約の適用がないか、よく調べてみることが大切です。

まとめ

ウサギ
交通事故の慰謝料請求は、落ち着いてゆっくりと示談を進める事が大切なんだね!
シカ
そうだね!上手く交渉を進めるためには、弁護士などの専門家に相談して、弁護士回答を得ることがお勧めだよ。

今回は、交通事故で慰謝料が支払われない場合の対処方法について、解説しました。

交通事故では示談が成立しない限り慰謝料が支払われませんが、焦ると不利になるので、落ち着いて対応することが重要です。

また、保険会社が慰謝料を支払わないときや、加害者に支払能力がないケースなどでは、弁護士に相談したり示談交渉を依頼したりする方法が有効です。

今回の記事を参考にして、確実に慰謝料を始めとした賠償金の支払いを適切に受けられるように対応してみて下さい。

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福谷陽子

福谷陽子

京都大学在学中に司法試験に合格し、多重債務(債務整理)、離婚問題や交通事故、相続などの案件を担当し、自身で弁護士事務所を運営。その後体調不良により弁護士事務所を一時閉鎖し、現在は10年間の弁護士経験を元に執筆に専念。

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