弁護士に依頼すると、賠償金額を上げる事ができるから、(計算式そのものが変わる)受け取ることが出来る保険金が確実に多くなるんだよ。
弁護士費用は高いって聞くし、支払いができるか不安だから、弁護士に依頼するのはなんだか気が引けちゃうな・・・
弁護士特約に加入していない場合でも、賠償額で弁護士費用を支払う事ができる事もあるから、まずは、無料相談などを利用することがお勧めだね。
今回の記事では、弁護士に依頼するメリットやデメリットについて、詳しく見ていこう。
まずはメリットから説明するね!
交通事故の被害に遭ったときには、弁護士に示談交渉や後遺障害認定などの対応を依頼すると、大きなメリットを受けられます。
ただ、実際にどのくらい慰謝料が増額されるのかや、どのくらい被害者側の意見が通るものなのかが知りたい、良い弁護士の選び方などがわからない、という方も多いでしょう。
弁護士費用が心配だという方もおられるかもしれません。
そこで今回は、交通事故で弁護士に依頼するメリットについて、解説します。
目次
弁護士に依頼するメリット
交通事故対応を弁護士に依頼すると、どのようなメリットがあるのでしょうか?
まずは、その内容を確認しましょう。
慰謝料が増額される(弁護士基準満額で算定できる)
1つ目の大きなメリットは、弁護士に示談交渉を依頼することにより、慰謝料を始めとした賠償金の金額が大きく増額されることです。
交通事故に遭ったら、
入通院慰謝料
後遺障害慰謝料
死亡慰謝料
などの慰謝料を請求することができます。
そのときの損害賠償金の計算基準は、複数存在します。
- 1つは自賠責基準
- 2つ目は任意保険基準
- 3つ目は弁護士・裁判基準
です。
被害者が自分で加害者側の任意保険会社と示談交渉を進めるときには、任意保険会社が独自に定めている「任意保険基準」を当てはめられてしまうので、賠償金を大きく減額されてしまいます。
任意保険基準で計算すると、法的に適正な基準である「弁護士・裁判基準」と比べて慰謝料が3分の1程度になってしまうこともあります。
任意保険基準で減額されるのは、慰謝料だけではありません。
休業損害や入院付添費用、将来介護費用なども低くなってしまいます。
自分で示談交渉をしていた被害者が弁護士に対応を依頼すると、それだけで賠償金が2倍、3倍になることも多いです。
相手とのやり取りがなくなる
交通事故の示談交渉は、被害者にとって非常にストレスが溜まるものです。
相手の保険会社の担当者は、支払う賠償金の金額を減額するために、さまざまなことを主張して金額を削ろうとしてくるからです。
たとえば、被害者の過失割合を高くするために、まるで被害者が交通事故を引き起こしたかのように言ってくることなどもあります。
また、保険会社が賠償金を減額してくるので、被害者としては「どのくらいの慰謝料が支払われるのだろうか?」などと考えて、不安になってしまいます。
このようなストレスが原因となり、うつ病などになってしまう被害者の方もたくさんおられます。
弁護士に示談交渉を依頼すると、弁護士が保険会社とのやり取りをすべて行うので、被害者が相手の保険会社から直接不快なことを言われずに済みます。
相手の保険会社が不当な主張をすれば、弁護士がすかさず反論をしてくれます。
今後の手続きの流れや予想される賠償金の金額などに不安があるときには、弁護士が教えてくれますし、法律に詳しい専門家が味方になってくれるという安心感もあります。
うつ状態になっていても、弁護士に対応を依頼すると、徐々に状態が良くなってこられる方も多いです。
過失割合などの交渉がスムーズ
交通事故被害者にとって「過失割合」は非常に重要です。
過失割合とは、事故の結果に対する被害者と加害者の責任の割合です。
被害者の過失割合が高くなると、その分賠償金が減らされてしまうので、示談交渉をするときには、なるべく自分の過失割合を少なくすることが大切です。
ただ、被害者が自分で示談交渉をすると、相手の保険会社は被害者に高すぎる過失割合を押しつけてくることがよくあります。
これは、被害者が過失割合の適正な基準を知らないので、相場より被害者の過失割合を高くしても被害者が気づかずに示談書にサインしてくれることを期待しているのです。
また、被害者が不満を持って
「それは高すぎるのではないか」
などと言っても、保険会社は
「そのようなことはありません。これが相場です」
などと言ってきますし、
「嫌なら示談することはできません」
などと言うので、被害者は、納得しないながらも示談するしかなくなります。
もし弁護士が示談交渉に対応していたら、法的に適正な過失割合を知っているので、相手から高すぎる過失割合を割り当てられることがありません。
被害者が示談交渉をしているときに過失割合が3割と言われていた件でも、弁護士が対応すると15%などに下がることもあります。
そうなったら、受けとることができる賠償金額が15%分もアップします。
もともとの賠償金額が大きければ、数百万円単位の差額が発生することにもなりますから、弁護士に対応を依頼することで大きなメリットがあります。
事故の状況を明らかにすることができる
交通事故が起こったときには、事故の状況が問題になることが非常に多いです。
たとえば信号機の色について問題となることもありますし、急な飛びだしがあったのか、どのくらいの速度を出していたのか、一時停止をしたのかどうかなどが問題となることもあります。
交通事故の加害者は、自分の刑事事件や民事賠償の点で有利になるために、事故当時とは異なることを言い出したり、虚偽を述べたりすることが頻繁にあるので、注意が必要です。
このようなとき、交通事故トラブルに注力している弁護士に対応を依頼すると、実況見分調書という刑事事件の資料を取り寄せたり、ドライブレコーダーや監視カメラの映像を分析したりすることで、事故の正確な状況を明らかにすることができます。
このことにより、正確に過失割合を算定することができて、賠償金の不当な減額を防ぐことができます。
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後遺障害認定を受けやすい
交通事故被害者にとって忘れてはならない重要なポイントとして、後遺障害認定があります。
後遺障害認定とは、交通事故で残った後遺症について、自賠責保険において、正式に後遺障害として認定してもらう手続きです。
交通事故では、さまざまな後遺症が残る可能性があります。
後遺症が残ると、日常生活でも仕事上でも大きな支障が発生するので、もし後遺症が残ったら、慰謝料や逸失利益を請求する必要があります。
このとき、きちんと後遺障害認定を受けないと、必要な賠償金を支払ってもらうことができないのです。
後遺障害には1~14級までの「等級」があり、等級が高くなればなるほど賠償金の金額が上がるので、後遺障害認定を受けるときには、なるべく高い等級を目指す必要もあります。
ただ、後遺障害認定を受けるためには、専門知識も必要ですし、最低限の医学的知識も持っていることが望ましいです。
被害者本人では適切な対応をとることができず、思ったような認定を受けられないことも多くなってしまいます。
交通事故トラブルに注力している弁護士であれば、各種の後遺障害の症状にも詳しく、後遺障害認定のノウハウも持ち合わせていますし、交通事故被害者に協力的な医師と提携していることなども多いので、より確実に高い等級の後遺障害認定を受けやすくなります。
被害者が自分で後遺障害認定をして非該当になったり低い等級になってしまったりしたときに、弁護士に異議申立を依頼して後遺障害が認められることもありますし、訴訟を起こして後遺障害認定を受けることができるケースなどもあります。
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弁護士に依頼するデメリット
弁護士費用が発生する
弁護士に交通事故の対応を依頼すると、デメリットはないのでしょうか?
あるとすれば、弁護士費用がかかることでしょう。
弁護士に何らかの事件対応を依頼すると、それだけの弁護士報酬がかかってしまいます。
交通事故で弁護士に対応を依頼すると、賠償金の金額が上がっても弁護士費用がかかってしまうので、思ったほど手取り額が大きくならないことがあります。
ただ、これについては、本当の意味での「デメリット」にはならないこともあるので、以下で説明します。
弁護士費用よりも多くの利益がある
1つには、支払う弁護士費用よりも多くの利益を得られることが挙げられます。
弁護士に示談交渉や訴訟などを依頼すると、先ほども説明したように大きき賠償金が上がり、賠償金額が2~3倍などになることも普通にあります。
一方で、支払う弁護士費用はそこまで多額にならないので、依頼者の手元に入ってくる金額は、弁護士に依頼しない場合よりも明らかに大きくなるのです。
例を挙げて見てみましょう。
たとえば、被害者が自分で示談交渉を進めていて、相手の保険会社が500万円の示談金を提案しているとします。
このとき、弁護士に対応を依頼して、後遺障害の等級が上がり、弁護士・裁判基準を適用することで、賠償金が1200万円にまで上がるとします。
このとき、弁護士に依頼して増額された金額は700万円です。
かかる弁護士費用の金額が経済的利益の20%であるとして、弁護士費用の金額は140万円です
そうすると、依頼者の手元に入ってくる金額は、1200万円-140万円=1060万円です。
自分で示談交渉をしていたら500万円しかもらえなかったわけですから、弁護士に対応を依頼したことにより、弁護士費用を支払ったとしても、賠償金が倍増しています。
この場合、弁護士費用がかかることはデメリットになっていません。
そして、このような例は決して珍しいものではなく、交通事故事件では普通にあることです。
弁護士費用特約を利用できるケースがある
弁護士費用がデメリットにならない理由は、もう1つあります。
それは、弁護士費用特約を利用できることです。
弁護士費用特約とは、被害者自身が加入している自動車保険が、交通事故事件に関連する弁護士費用を補償してくれる特約です。
自動車保険会社は弁護士保険特約に非常に力を入れているので、最近では自動車保険に加入するときに弁護士費用特約をつけている方が非常に多いです。
弁護士費用特約を利用すると、法律相談料については10万円、示談交渉や訴訟などの事件対応費用(着手金や報酬金など)については最大300万円まで、自動車保険会社が負担してくれます。
かなり大きな事故でも弁護士費用が300万円もかかることは少ないので、弁護士費用特約を利用すると、多くのケースで被害者は自己負担額0円で弁護士に対応を依頼することができるのです。
なお、だいたいの目安として、相手から支払われる賠償金の金額が2000万円程度以上になってくると、弁護士費用が300万円を超える可能性が高くなってきます。
弁護士特約がついているかどうかは、あなたの自動車保険証券を確認するか、わからなければ保険会社に直接問い合わせてみると良いでしょう。
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弁護士に依頼するときの注意点
交通事故の対応を弁護士に依頼するとさまざまなメリットがありますが、こうしたメリットを受けるために注意しなければならないことがあります。
それは、弁護士の選び方の問題です。
弁護士にもいろいろな得意分野があるので、交通事故の対応を依頼するならば、交通事故トラブルに注力している弁護士を選ぶ必要があります。
交通事故トラブルに注力している弁護士とは、日常的に交通事故の事件に積極的に取り組んでおり、交通事故関係の判例や文献などの研究を欠かさず、後遺障害認定手続きなどにも詳しい弁護士のことです。
交通事故事件が得意でない弁護士に依頼しても、思ったような高い等級の後遺障害認定を受けられなかったり、賠償金が増額されなかったりするので、メリットが小さくなります。
交通事故トラブルに注力している弁護士を探すには、法律事務所のホームページをチェックして交通事故実績が高い弁護士や、交通事故コラムを頻繁に更新している弁護士、後遺障害の種類や等級について詳しく説明している弁護士などを探すと良いでしょう。
交通事故トラブルに注力している弁護士の特徴や探し方についてはこちらの記事で解説しています。
弁護士のメリットを最大限に活かす事ができる場面
交通事故で、弁護士に依頼するメリットを最大限に活かすことができる場面は、以下のようなときです。
後遺障害認定を受けたい場合
1つは,後遺障害の等級認定の場面です。
後遺障害等級認定手続きには、事前認定と被害者請求という2種類の方法があります。
事前認定の場合、相手の保険会社に後遺障害診断書のみを渡して、その後の具体的な手続きはすべて保険会社に任せてしまいます。
被害者が自分で示談交渉をするときには、こちらの方法をとることがほとんどです。
しかし、事前認定では、相手の保険会社がどのような対応をしているのかが見えませんし、被害者の裁量で有利な資料を提出することなどもできません。
これに対し、被害者請求とは、被害者自身がいろいろな資料や必要書類を集めて、直接相手の自賠責保険に後遺障害認定請求をする方法です。
被害者請求の場合、被害者の裁量で各種の資料を提出できますし、手続きの透明性も保たれるので、等級認定を受けやすくなります。
ただ、非常に手間がかかりますし、専門のノウハウなども必要なので、弁護士でないと対応が難しいです。
そこで後遺障害等級認定を受けたいときには、弁護士に対応を依頼するメリットが大きくなります。
慰謝料の金額に争いがあるとき
交通事故では、慰謝料の金額について争いが発生することが多いです。
加害者の保険会社が示談金を提示してきても、被害者が納得しないと示談が成立しません。
そうすると、膠着状態となって、いつまでも示談金を受け取れないままの状態になってしまいます。
このようなとき、弁護士に対応を依頼すると、弁護士・裁判基準によって賠償金額を計算できるので、慰謝料を含めた示談金の金額が大きくアップします。
被害者も納得しますし、加害者の保険会社も、弁護士が就いたなら支払わないと仕方が無いと諦めるので、示談が成立して、スピーディに高額な慰謝料(賠償金)を受け取ることができます。
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弁護士に依頼しても慰謝料が変わらない事故がある
小さい交通事故のケース
以上、弁護士に依頼するメリットをご説明してきましたが、中には弁護士に依頼してもメリットが小さい交通事故があります。
それは、物損事故や後遺障害のない小さな交通事故です。(ただし、弁護士費用特約を使えないケースに限ります。弁護士費用特約を利用できる場合には、こういった小さな事故でも、十分にメリットを得られます。)
物損事故や後遺障害のない小さな事故の場合、賠償金の総額が10~30万円程度にしかなりません。
このような場合、弁護士に対応を依頼しても、さほど大きく賠償金があがりません。
たとえば、物損事故で、もともと10万円と言われていた賠償金が20万円に上がったとしましょう。
ただ、弁護士に依頼すると最低でも10万円程度はかかってしまいますから、結局被害者のもとに利益が残らないことになってしまいます。
弁護士報酬を支払っても経済的に得なのかの判断基準
弁護士費用を支払っても弁護士に依頼するメリットがあるかどうかの判断基準は、どのようなものとなっているのでしょうか?
後遺障害があるかないか
1つは、後遺障害があるかないかという基準です。
もし、後遺障害がある場合、弁護士に依頼すると、後遺障害認定を受けることができますし、弁護士基準によって後遺障害慰謝料が大きく増額されるので、依頼するメリットが大きくなります。
むちうちでも14級の後遺障害認定を受けられる可能性があります。
こうした何らかの後遺障害が残るなら、迷いなく弁護士に対応を依頼しましょう。
後遺障害がない場合、半年以上の通院期間があるかないか
後遺障害がない場合には、半年以上の通院期間があるかないかがポイントとなります。
通院期間が半年以上になると、入通院もそれなりの金額になってくるので、弁護士に依頼すると入通院慰謝料が増額されて、メリットを得ることができます。
反対に、通院期間が5ヶ月以下で後遺障害が残らない事案では、通常弁護士に依頼するメリットはあまりないと言えるでしょう。
ただし、そのようなケースでも、弁護士費用特約を利用できるなら、是非とも弁護士に対応を依頼することをお勧めします。
また、「僕の場合弁護士を付けた方が得ですか?」と直接弁護士に聞いてしまうのもありです。
まとめ
物損などの場合には、よく検討しなければいけないんだね。
今回は、交通事故の対応を弁護士に依頼するメリットについて解説しました。
弁護士費用特約を利用できる場合はもちろんのこと、そうでないケースでも、弁護士に依頼すると賠償金が大きくアップして、被害者には大変大きな利益があります。
後遺障害認定を受けたいときや慰謝料の金額に不満があるとき、過失割合に疑問があるときなど、交通事故トラブルに注力している弁護士を探して相談してみると良いでしょう。
当サイトでおすすめしているのは響法律事務所です。
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福谷陽子
京都大学在学中に司法試験に合格し、弁護士として約10年間活動。うち7年間は独立開業して事務所の運営を行う。
実務においては交通事故案件を多数担当し、示談交渉のみならず訴訟案件も含め、多くの事件に関与し解決。
現在はライターとして、法律関係の記事を執筆している。
■ご覧のみなさまへのメッセージ:
交通事故に遭うと、今までのように仕事を続けられなくなったり相手の保険会社の言い分に納得できなかったりして、被害者の方はさまざまなストレスを抱えておられると思います。
そんなとき、助けになるのは正確な法律知識とサポートしてくれる専門家です。まずは交通事故の賠償金計算方法や示談交渉の流れなどの基本知識を身に付けて、相手と対等に交渉できるようになりましょう。
お一人で悩んでいるとどんどん精神的にも追い詰められてしまいます。専門家に話を聞いてもらうだけで楽になることも多いので、悩んでおられるなら一度弁護士に相談してみると良いと思いますよ。