慰謝料

交通事故で請求できる費用とできない費用とは

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ウサギ
交通事故被害者の場合、加害者である相手方に対して、どこまでの賠償金額を請求することができるの?

ミミズク
交通事故の被害者である場合には、治療関係費だけではなく、その他の費用も請求することができるんだよ。かかった費用全てを請求できるのではなく、過失割合によって受け取ることができる損害金額が変わってくるよ。

ウサギ
受け取ることが出来る費用にはどんな種類があるのかな?電話代なども対象となるの?

ミミズク
今回の記事では、交通事故の被害者が請求できる費用について、詳しく説明するよ!まずは、どんな種類の賠償金があるのか、詳しく見てみよう。

交通事故に遭い傷害を負った時、加害者に慰謝料などの賠償金を請求することができます。
このとき、具体的にはどのようなお金をもらうことができるか、正確に理解しておられる方は、非常に少ないです。

実は、交通事故に遭うと、いろいろな賠償金を請求することができます。ただ、請求しても認められにくいものもあるので、しっかりと区別しておくことが大切です。

そこで今回は、交通事故に遭ったときにもらえる慰謝料やそれ以外のさまざまな賠償金について、わかりやすく説明をします。

交通事故の賠償金として受け取ることができる費用

慰謝料は、賠償金の一部

まずは、交通事故に遭ったとき、加害者に請求できる費用の種類を確認しましょう。

一般的に、交通事故が起こったら、加害者に「慰謝料」を請求できると思っている方が多いです。
ただ、交通事故で相手に請求できるお金は、慰謝料だけではありません。
慰謝料は、交通事故が原因で被った精神的苦痛に対する賠償金ですが、交通事故に遭うと、それ以外にも治療費や交通費、休業損害などの損害がたくさん発生するからです。
そこで、交通事故の慰謝料は、賠償金の一部と言えます。

まずは、この基本を押さえておきましょう。

そして、交通事故に遭ったときの損害は、以下の4種類に分けることができます。

  1. 積極損害
  2. 消極損害
  3. 慰謝料
  4. 物的損害

以下では、それぞれについて、どのようなものが損害として認められるのか、順番に確認していきましょう。

積極損害

積極損害とは、交通事故によって、被害者が実際に支払わなければならなくなった費用のことです。
たとえば、治療費や通院のための交通費、付添看護費用などです。

積極損害として認められるのは、以下のような費用です。

  • 治療費
  • 付添看護費用
  • 通院交通費
  • 器具・装具の費用
  • 家屋改造費用
  • 介護費用
  • 葬儀費用

治療費

治療費としては、必要かつ相当な範囲の費用が、実費として認められます。
診察料、投薬料、検査料などすべて含まれます。
交通事故で通院治療が長びいてくると、相手の保険会社が、治療費の支払いを打ち切ってくることがありますが、打ち切っても、相手には支払い義務があります。

そこで、被害者が自分で治療費を立て替えて治療を受けたら、後になって、相手の保険会社にまとめて未払の治療費を請求することができます。

付添看護費用

付添看護費用は、入院しているときなどに付き添ってもらったときの費用です。

看護師の場合にはかかった実費が損害となりますし、親族に付き添ってもらった場合には、1日あたり6600となります。
通院の場合にも、付添が必要な状態であるならば付添看護費が認められます。通院付添費は、
1日あたり3300となります。

ただ、この金額は弁護士基準で計算した場合であり、任意保険基準や自賠責保険基準で計算すると、3分の2程度に減額されます。

通院交通費

通院するとき、交通費がかかるケースも多いです。
その場合、通院にかかった交通費も損害として請求することができます。
交通費は、かかった実費となります。

自家用車で通院した場合には、1キロメートルあたり15円のガソリン代を払ってもらうことができますし、駐車場代も請求できます。

器具・装具の費用

後遺障害が残ったことにより、義眼や義足、義手などの器具や装具が必要になったら、そういった費用も相手に請求することができます。
これらについては、かかった実費になりますが、将来の買い換えにかかる分も請求することができます

家屋改造費用

重大な後遺障害が残った場合、今までの家では生活出来なくなることがあります。
その場合には、自宅の改造費用を相手に請求することができます。

車の改造が必要なケースでは、車の改造費用も損害として認められます。

介護費用

重大な後遺障害が残って自分では自分のことができなくなると、介護が必要な状態となります。
すると、将来の介護費用がかかってきます。
これも、積極損害として相手に請求することができます。

職業介護人を雇う場合には、だいたい1日あたり12万円程度、親族が介護する場合には1日あたり8000円程度として、計算します。

葬儀費用

交通事故で被害者が死亡してしまったケースでは、葬儀費用が損害として認められます。
葬儀関係費については、必要かつ相当な費用が実費として認められますが、限度額はだいたい150万円となっています。

ただ、ケースによっては200万円くらいまでの支払いが認められることがありますし、別途遺体搬送費用や墓石の費用が認められることなどもあります。

 

以上の積極損害は、すべて慰謝料とは全く異なるものです。
相手の保険会社がきちんとすべて、正確に計算してくれるとは限りませんので、事故に遭ったら、被害者側がしっかりと計算をして、請求することが大切です。

消極損害

次に、消極損害という損害があります。
消極損害とは、交通事故が原因で得られなくなってしまった将来の収入のことです。

交通事故に遭うと、入院が必要になったり体調を崩したりして、働けなくなってしまいます。
すると、減収が発生するので、その減収分を相手に請求することができるのです。

消極損害には、3種類があります。

  • 休業損害
  • 後遺障害逸失利益
  • 死亡逸失利益

休業損害

休業損害とは、交通事故によって仕事を休んだために発生した減収です。

たとえば、サラリーマンや自営業者が交通事故に遭うと、何日か仕事ができなくなります。
その日の分の減収を、損害として相手に請求することができます。

休業損害が認められるのは、基本的には事故前に職業をもって働いていた人ですが、主婦であっても休業損害を認めてもらうことができます。

後遺障害逸失利益

後遺障害逸失利益とは、後遺障害が残ったことによって、失われた将来の収入です。

後遺障害が残ると、体のさまざまな部分に不調が発生するので、それまでと同じようには働けなくなります。
そこで、そうした労働能力喪失率に応じて、逸失利益を計算するのです。

後遺障害逸失利益の金額は、後遺障害の程度が重くなるほど、高額になります。
高収入の人が後遺障害
1級になった場合などには、2億円を超える逸失利益が発生することもあります。

逸失利益が認められるのは、休業損害と同様、実際に働いていた人や主婦などですが、子どもや学生も、将来働いて収入を得る蓋然性が高いので、逸失利益を請求することができます。

死亡逸失利益

死亡逸失利益は、被害者が死亡したときに発生する逸失利益です。死亡すると、当然その後は働けなくなるので、全額の逸失利益を請求することができます。
ただし、死亡すると生活費がかからなくなるので、その分は控除する必要があります。

死亡逸失利益も、被害者が高収入なケースなどでは極めて高額になります。

死亡逸失利益が認められる人は、基本的に後遺障害逸失利益のケースと同じですが、死亡逸失利益の場合には、年金生活者(老齢年金や障害年金の場合など)にも認められます。

慰謝料

慰謝料は、交通事故に遭ったことによって被った精神的苦痛に対する賠償金です。

慰謝料は、以下の3種類に分類できます。

  1. 入通院慰謝料
    入通院慰謝料は、交通事故で入通院治療が必要になったときに発生する慰謝料です。
    入通院の期間が長くなればなるほど、高額になります。
  2. 後遺障害慰謝料
    後遺障害慰謝料とは、後遺障害が残ってしまったことによって被害者が受ける精神的苦痛に対する慰謝料です。
    後遺障害の等級が高くなればなるほど、高額になります。
  3. 死亡慰謝料
    死亡慰謝料とは、被害者が死亡したことによって発生する慰謝料です。
    だいたい、20003000万円程度となります。

物的損害

物的損害とは、車が壊れたとか施設、建物、物品が壊れたなどの「物」についての損害です。
ペットなどの動物は「物」扱いなので、ペットが死亡した場合やケガをした場合の治療費も、物的損害となります

物的損害として認められるのは、以下のような費用です。

  • 車の治療費
  • 車の買い換え費用
  • 車の評価損
  • 代車費用
  • 積荷損害
  • 休車損害
  • 建物の損壊費用

車の修理費

車の修理費用は、物損の典型です。
壊れたら修理工場に持ち込み、修理費用の見積もりをとって、その分を相手から支払ってもらうことができます。

車の買い換え費用

車の修理が不可能な場合や、修理費用が車の時価を超える場合には、車の買い換え費用を請求することができます。
買い換え費用として認められる金額は、車の時価です。

新車購入費用を全額補填してもらえるわけではないので、注意が必要です。

車の評価損

交通事故のせいで、車の価値が下がってしまうことがあります。
その場合の車の評価損も、相手に請求することができます。

代車費用

交通事故で車を修理に出すと、その間車を使うことができません。
また、買い換えが必要になったときにも、買い換えるまでは車がない状態が続きます。

このようなときには、相手に代車費用を請求することができます。代車費用として認められるのは、レンタカー代です。
実際にレンタカーを利用したら、その分の費用を支払ってもらうことができます。

積荷損害

トラックの積荷が壊れた場合などに発生する損害です。

休車損害

タクシーやバス、運送用の車などが交通事故に遭ったら、その車を使えなくなることによって、営業上の損害が発生します。
それを、休車損害と言います。

建物の損壊費用

車が建物に突っ込んで、建物が壊れたら、その修理費用も損害として加害者に請求することができます。
道路上の施設やガードレールなどについても、同様です。

請求することが難しい費用や、争いになりやすい費用

ウサギ
かかった費用を全て請求することができるんだったら、保険屋と話した時の電話代や、通院につかったタクシー代も請求できるんじゃない?

ミミズク
電話代やタクシー代は、請求が難しいと言われているよ。その他にも請求が難しい費用について、見てみよう。

以上に対し、交通事故が起こっても、加害者への請求が難しくなったり、争いや裁判になりやすかったりする費用があります。
損害額が決まらない事で示談がまとまらず、訴訟となってしまうと、解決までに長い期間がかかってしまう事になりますから、注意しましょう。

順番に確認していきましょう。

電話代などの通信費

まず、加害者の保険会社などとの電話代が問題になることがあります。

携帯電話で相手の保険会社と連絡をとり続けていると、電話代が高額になることがあります。
こうした電話代も、交通事故と因果関係が認められる限り、加害者に請求することができます
ただ、電話代には、相手の保険会社以外の人との通話分も含まれるので、どこまでを損害として認めるか、争いになりやすいです。

なお、文書を取り寄せるための切手代については、問題なく相手に請求することができます。

軽傷である場合のタクシー代

通院交通費は、基本的に損害として認めてもらうことができます。被害者が重傷の場合や小さい子どもなどの場合には、必要性があるということで、タクシー代を支払ってもらいやすいです。

これに対し、被害者が大人で軽傷の場合などには、タクシーを使う必要性が認められにくく、タクシー代を請求しても拒絶される可能性があります。

個室や特別室などの料金

入院治療を受けるとき、一般的には数人が利用する大部屋を使います。

ただ、大部屋を嫌ってあえて個室を選んだとき、相手の保険会社は個室と大部屋の差額の負担を拒絶することが多いです。
わざわざ個室を利用する必要がないという理由です。

ただ、個室利用料金が、必ずしも認められないとは限りません。

たとえば、患者の傷の状態が悪かったり、精神的に周囲に人がいると落ち着かない状態になっていたり、感染症の危険があったりして、医療上の必要があると認められれば、個室の利用料金を請求することができます。

温泉治療やマッサージの利用料金

交通事故後の治療のため、温泉施設やマッサージ治療を受けるケースがあります。
これらの費用も、相手の保険会社から否定されることが多いです。

ただ、温泉治療やマッサージ治療が効果を上げることもあるので、こうした費用が全く認められないわけではありません。

医師の指示があり、有効と認められれば、こうした費用も相手に請求することができます。
また、温泉治療を受けるときには、現地までの交通費や現地での宿泊料も、合わせて請求できます。

整骨院の費用

整骨院における治療費についても、非常に争いになりやすいです。

むちうちになった場合などには、整骨院で治療を受けることが多いのですが、そもそも整骨院での治療が必要かということも問題になりますし、通院が長びいてくると、さらにトラブルが起こりやすくなります。

医師が整骨院への通院を了承していれば、整骨院の費用も相手に請求しやすいですが、医師の承諾なしに勝手に整骨院に通うと、後になって通院費用を請求できなくなってしまう可能性があるので、注意しましょう。

整体院の費用

整体院やカイロプラクティックと呼ばれる施術を受けるときには、注意が必要です。

これらの施術を行う人は、整骨院の先生とは異なり、無資格な人です(整骨院の先生は、柔道整復師の資格を持っています)。
健康保険の適用もありません。
医師に相談しても、「整体院で治療を受けると良い」と言う人は、ほとんどいないでしょう。

そこで、整体院やカイロプラクティックで何らかの処置を受けても、その費用を相手に請求することはできないと考えるべきです。

むちうちになった場合の通院先は、慎重に選びましょう。

過剰診療となる高額診療

治療費については、基本的に「必要かつ相当な限度」で実費を請求することができます。
しかし、「過剰診療」とみなされると、請求ができなくなってしまうので、注意が必要です。

過剰診療とは、不必要に過剰な治療方法のことです。
たとえば、打撲しただけなのに、何週間も入院すると、明らかに過剰診療となります。

ただ、過剰診療かどうかについては、医学的な判断が必要となるので、実際の争いの場面では、なかなか難しくなります。
医師に意見を聞き、医学的に合理性と相当性があるかどうかで決定することとなるでしょう。
基本的には、その治療方法が、「一般的に利用されているものかどうか」が基準となってきますが、「一般的に利用されていないからといって、必ずしも過剰とは言えません。

また、実際に、通常とは異なる治療によって効果が上がることもあります。
そこで、相手の保険会社から「過剰診療だから、治療費を払えない」と言われても、すぐに諦めるのではなく、弁護士に相談に行くことをお勧めします。

請求できる費用かどうか迷ったら、弁護士に相談を

ウサギ
請求できる費用とできない費用との境目がよくわからないよ。

ミミズク
そんな時には弁護士に依頼しよう。任意保険会社の基準で慰謝料をもらうよりも、弁護士基準で計算をする方が、高額な慰謝料になるから、お勧めだよ。弁護士に支払う報酬金は賠償金で支払う事が可能だから、安心して相談してみよう。

以上のように、交通事故に遭ったときには、いろいろな種類の損害が発生します。
請求が認められやすいものもありますが、争いになりやすいものもあります。

そこで、請求できるものについては、漏れなくすべて請求を行い、適切に賠償金の支払いを受けることが大切です。

被害者が自分で損害賠償金の分類と計算をしようとしても、正確にできないことが多いです。
相手の保険会社から「その費用は支払えません」と言われてしまったら、「それなら仕方が無い」と諦めてしまうこともよくあります。

そんなとき、弁護士に相談をすると、「実は請求できる」ことが判明することが非常に多いのです。
そこで、相手の保険会社と示談交渉をしていて、「その費用は支払えない」と言われて納得ができないなら、まずは弁護士に相談をしてみましょう。

今は、多くの弁護士事務所で無料相談を行っていますし、相談に行ったからといって、いきなり着手金を取られるような事はありません。
まずはそういった無料サービスを利用して、話を聞きに行ってみることをお勧めします。

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福谷陽子

福谷陽子

元弁護士・ライター。
京都大学在学中に司法試験に合格し、弁護士として約10年間活動。うち7年間は独立開業して事務所の運営を行う。
実務においては交通事故案件を多数担当し、示談交渉のみならず訴訟案件も含め、多くの事件に関与し解決。
現在はライターとして、法律関係の記事を執筆している。

■ご覧のみなさまへのメッセージ:
交通事故に遭うと、今までのように仕事を続けられなくなったり相手の保険会社の言い分に納得できなかったりして、被害者の方はさまざまなストレスを抱えておられると思います。
そんなとき、助けになるのは正確な法律知識とサポートしてくれる専門家です。まずは交通事故の賠償金計算方法や示談交渉の流れなどの基本知識を身に付けて、相手と対等に交渉できるようになりましょう。
お一人で悩んでいるとどんどん精神的にも追い詰められてしまいます。専門家に話を聞いてもらうだけで楽になることも多いので、悩んでおられるなら一度弁護士に相談してみると良いと思いますよ。

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