弁護士が教える交通事故示談交渉テクニック

慰謝料 示談交渉

おかまほられた交通事故での対応と慰謝料について

投稿日:

  • 信号待ちで停車していたら、いきなりおかまをほられた!
  • 交通事故でおかまほられたら、その後むちうちになって肩や背中が痛くなった…
  • おかまをほられたのに、被害者に過失がある場合があるのか?

交通事故の中でも、後続車から追突される事故を「おかまほられた」ということがあります。
おかまをほられたとき、被害者には基本的に過失がありません。ただ、その後むちうちになっていろいろな症状に苦しむ方もたくさんおられます。

今回は、交通事故で突然おかまほられたときの対処方法や請求できる慰謝料について、解説していきます。

 

おかまほられた事故とは

交通事故では、よく「おかまほられる」という表現が使われます。
「おかまほられる」交通事故は、「追突事故」です。後ろから一方的に追突された場合に「いきなりおかまほられた」などといいます。

この言葉の語源は「男色」です。昔は男色の「女性役」を「おかま」と呼んでいましたが、おかまの場合、性交の際に後ろから「掘られる」ことになるので、追突事故のことを「おかまほる」と表現するようになりました。

おかまほられる交通事故がよく起こるパターン

追突事故が起こりやすいのは、以下のような場合です。

  • 交差点で信号待ちをしていたらいきなり追突された
  • 駐停車していたら、いきなり追突された
  •  普通に法定速度内で走行していたら、スピードを出した後続車に追突された
  •  ブレーキを踏んだら後ろの車が車間距離をとっていなかったので追突された
  •  急ブレーキを踏んでしまったので、追突された
  •  高速道路上で追突された

追突事故は、交通事故全体の件数の中でも非常に多くなっています。平成29年には、車両同士の交通事故の全体件数が408812件であるのに対し、追突事故が167845件となっており、約41%が追突事故です。追突事故の中でも「進行中」のものは15395件、「その他(駐停車中)」は152450件となっているので、多くは駐停車中に発生していることがわかります。

いずれにしても車を利用している限り、いつ何時おかまほられるかわからない状況にあると言えます。追突事故は他人事ではありません。
https://www.npa.go.jp/publications/statistics/koutsuu/H29zennjiko.pdf

 

追突事故に遭った時の対処法

もしも駐停車中や走行中に追突事故に遭ったら、以下のように対応しましょう。

緊急措置を行う

交通事故の当事者は、事故現場でけが人がいたら救護しなければなりません。おかまをほられた場合、通常は自分がけがをする方なので相手が応急処置などをすべき義務を負います。ただ、もしも事故に巻き込まれた他の方などがいたら、できる限り救護しましょう。

さらに事故現場に金属破片や荷物などが散らかっていて危険が発生していたら、そうしたものは片付けるべきです。車は路肩に寄せて二次被害を防止しましょう。

これらの被害者の救護と危険の除去を、事故を起こした当事者に課される道路交通法上の「緊急措置義務」といいます。

警察に連絡する

次に、必ず警察に連絡することが重要です。交通事故が発生したら、事故の当事者は事故の発生場所や時間、状況、けが人の有無や程度、その他の損害発生の状況などを警察に報告しなければなりません。これも道路交通法で定められた義務です。

警察に報告しなかったら交通事故証明書が発行されず、交通事故が起こった事実を証明できなくなって保険金の請求に支障を来す可能性があります。実況見分も行われないので、後に交通事故の状況についての争いが発生したときにも、過失割合が適正に認定されず不利益を受けるリスクが高まります。

加害者が「警察を呼ばないでほしい」などと言ってきても応じてはいけません。相手が呼ばないならこちらが携帯電話などで110番通報しましょう。

相手の連絡先を確認する

警察を待っている間に、相手と連絡先を交換しましょう。氏名、住所、電話番号と加入している保険会社(任意保険や自賠責保険)は確認しておくと良いです。相手が名刺を持っているなら、仕事や会社名がわかるのでもらっておくと役立ちます。

実況見分に立ち会う

警察が到着したら、現場で実況見分が始まります。実況見分では警察が事故現場を調べて当事者から話を聞き、後にその内容を「実況見分調書」にまとめます。実況見分調書は、交通事故の過失割合を証明するのにも役立つ貴重な資料です。被害者が実況見分に立ち会う際には、「相手がいきなり追突してきた」という事故の状況を、正確に伝えることが大切です。

 

少しでも不調が起きたらすぐに通院する

追突事故に遭うと、被害者は「むちうち」になるケースが非常に多数です。むちうちとは、追突の衝撃で首の骨がゆがんで損傷することによって起こるさまざまな症状です。

肩や背中の痛み、しびれ、ときにはめまいや耳鳴り、吐き気、腕や手の痛みやしびれが起こるケースもあります。

ただし事故直後は気分もたかぶって痛みを感じにくくなり、むちうちの神経症状は事故後数日が経過してから起こるケースも多々あります。事故後少しでも不調を感じたら、すぐに病院に行って診察を受けましょう。

物損事故から人身事故に切り替える

追突事故に遭い、その場では痛みを感じなければ「物損事故」として届け出るケースもあります。しかしその後に痛みなどの症状が出たら「人身事故」に切り替える必要があります。人身事故にしないと治療費や休業損害、慰謝料などが払われないためです。早期に病院で診断書を買いてもらって警察に持参し、物損事故から人身事故に切り替えてもらいましょう。

事故から時間が経ちすぎていて切り替えを受け付けてもらえなかったら、保険会社に「人身事故証明書入手不能理由書」を提出することで、人身事故にしてもらえます。

 

おかまほられた追突事故の過失割合

交通事故で一方的におかまをほられた場合、被害者にはまったく過失がありません。そこで加害者と被害者の過失割合は100になります。つまり被害者の過失は0%なので、相手には全額の損害賠償請求ができます。

ただし被害者が急ブレーキをかけた場合には、被害者にも責任が認められるので30%程度の過失割合が発生します。

過失割合については高速道路上と一般道路上で異なる考え方になります。高速道路では前方車両と後方車両の両方が高スピードを出していることが前提であり、駐停車している状況は考えにくいからです。むしろ意味も無く道路上に駐停車していたら、前方車両に重大な過失が認められます。一般の高速道路上の追突事故では、前方車両:後方車両の過失割合が4060となります。

前方車両が急ブレーキを踏んだ場合には、過失割合は5050となります。

なお前方車両が路肩に寄せて退避していた場合や、退避する場所がないので停止表示器材などによって後続車両に危険を知らせていた場合などには、高速道路上であっても前方車両の過失割合が0%(後方車両が100%)となります。

おかまほられた追突事故の慰謝料の相場

おかまをほられたとき、被害者が加害者に請求できる慰謝料相場はどのくらいになるのでしょうか?

追突事故慰謝料の種類

交通事故の慰謝料には、以下の3種類があります。

  • 入通院慰謝料
  • 後遺障害慰謝料
  • 死亡慰謝料

以下でそれぞれについて説明します。

入通院慰謝料

入通院慰謝料は、むちうちなどになって病院に通ったり入院したりしたことについての慰謝料です。入通院による治療期間が長引くほど慰謝料の金額が上がります。

たとえばむちうちとなったけれどもMRIなどの画像による所見がないケースで半年間通院したら、入通院慰謝料の相場は89万円程度、10か月通院した場合には113万円程度となります。

骨折して1か月入院、その後半年通院した場合には149万円程度の入通院慰謝料が支払われます。

後遺障害慰謝料

追突事故に遭うと、被害者にさまざまな後遺障害が残る可能性があります。その場合、濃い障害の内容や程度に応じて後遺障害慰謝料を払ってもらえます。金額は、認定された後遺障害の等級によって異なります。

むちうちの場合に認定される等級は、たいてい12級か14級です。

12級になるのはMRIなどの画像でむちうち症状を立証できる場合、14級になるのは画像による証明は不可能でも、自覚症状があることを推定できる場合です。

12級が認定されると後遺障害慰謝料の相場は290万円程度、14級の場合には110万円程度です。

死亡慰謝料

激しい追突事故が起こって被害者が死亡してしまったら、死亡慰謝料が支払われます。

死亡慰謝料の金額は、被害者の家族関係によって異なります。

  • 被害者が一家の支柱であった場合…2800万円程度
  • 被害者が母親や配偶者であった場合…2500万円程度
  • その他の場合(独身者、子どもなど)2000万円~2500万円程度

慰謝料の相場は、弁護士基準か任意保険基準かで異なる

追突事故の被害者が覚えておかねばならないのは、交通事故慰謝料の金額が、「弁護士基準」と「任意保険基準」とで大きく異なることです。

弁護士基準とは、弁護士が示談交渉をするときに適用される賠償金計算基準です。法的に認められた計算方法であり、裁判所も利用しています。上記で紹介した入通院慰謝料や後遺障害慰謝料などの相場は、すべて弁護士基準によるものです。

任意保険基準とは、任意保険会社が賠償金計算するときに適用する基準です。法的な根拠などはなく、各任意保険会社が独自に定めています。弁護士基準より大幅に安くなっているため、任意保険会社が任意保険基準で慰謝料を提示したときに被害者が示談に応じてしまったら、損をしてしまう可能性が高まります。

おかまほられた追突事故による慰謝料を増額させるための2つのポイント

交通事故でおかまをほられたとき、慰謝料を増額させるには以下の2つのことが重要です。

弁護士に依頼して弁護士基準を適用する

まずは弁護士に示談交渉を依頼することです。被害者が自分で対応していると任意保険会社は低額な「任意保険基準」で計算して低い慰謝料を提示してきます。

一方弁護士が対応すると、計算基準が高額な「弁護士基準」に変わるので、それだけで慰謝料が倍以上になることも多数あります。

適切に後遺障害認定を受ける

もう1つは、適切に後遺障害認定を受けることです。むちうちになった場合、MRIなどで撮影をしても異常所見を見つけられないケースも多々あります。そのようなとき、やみくもに後遺障害認定請求をしても非該当(後遺障害に該当しない)とされてしまいます。

むちうちで適切に後遺障害認定を受けるには、通院当初から慎重な対応が必要です。たとえば医師に対する症状の説明方法、通院頻度、通院先の選択、受ける検査の種類などいろいろ対応すべきポイントがあります。

素人の方がお一人で完璧に対応するのは困難なので、できるだけ早い段階で弁護士に相談に行ってアドバイスを受けながら進めるのが良いでしょう。

追突事故では「その場で示談してはいけない」

交通事故でおかまをほられたとき、1つ重要な注意点があります。それは、「事故現場で示談しないこと」です。

交通事故の加害者は、運転免許の点数を加算したくないことや刑事事件にしたくないことなどから、被害者に対して「今慰謝料を支払う約束をするので、警察を呼ばないで終わらせよう」などと言ってくることがあります。

「けがもしていないのに数十万円払ってもらえるなら、それでいいか」と考えてしまう被害者もいます。

しかし追突事故では、その場で痛みが出なくても数日後にむちうちの症状が出てくるケースもあります。また警察を呼ばなかったことで事故証明書や実況見分調書が作成されず、さまざまな不利益を受けるおそれも発生します。最悪の場合、治療費や後遺障害慰謝料を払ってもらえなくなる危険があります。

事故現場で相手から「この場で示談しましょう」と言われても、絶対に応じてはなりません。

まとめ

運転中にいきなりおかまをほられたら、誰でも驚いてしまうものです。まずは警察を呼んで適切に対応し、適切な治療を受けて粛々と賠償金請求手続を進めていきましょう。

できるだけ高額な慰謝料を獲得するため、早めに弁護士に相談することをオススメします。

 

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福谷陽子

福谷陽子

京都大学在学中に司法試験に合格し、多重債務(債務整理)、離婚問題や交通事故、相続などの案件を担当し、自身で弁護士事務所を運営。その後体調不良により弁護士事務所を一時閉鎖し、現在は10年間の弁護士経験を元に執筆に専念。

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