弁護士が教える交通事故示談交渉テクニック

示談交渉

追突事故の場合の保険会社の対応と、正しい対処方法について

投稿日:2017年12月14日 更新日:

クマ
追突事故に遭ってしまったんだ。

追突事故の場合には、保険会社との対応で注意する事ってあるの?


シカ
追突事故は、過失割合が0になることが多く、自分の任意保険会社を利用することができないんだよ。

クマ
保険会社を利用できないってことは、自分自身で示談交渉しなければいけないの?!

シカ
そうなんだ。

自分一人での示談交渉は、受け取る損害賠償金が少なくなってしまう事が多いんだよ。

そんな事にならないためにも、保険会社との対応の仕方について、今回の記事で詳しく見ていこう。

交通事故では、「追突事故」が起こることがとても多いです。

追突事故の場合、基本的には追突車が悪いので、追突された方の過失割合は0となります。

また、追突事故に遭うと「むちうち」になってしまうことがよくありますから、しっかりと慰謝料やその他の賠償金を支払ってもらうことが大切です。

追突事故で、保険会社と示談を進めるとき、保険会社の言い分や対応に納得できないことも多いので、正しい対処方法を押さえておきましょう。

今回は、追突事故の場合の保険会社の対応と、それに対する正しい対処方法を解説します。

追突事故とは

そもそも「追突事故」とは、どのようなものでしょうか?

追突事故は、自動車や単車などの車両に乗車しているときに、後方から別の車両に衝突される事故です。

前方の車両は進行中であることもありますし、停止していることもあります。

また、四輪車同士であることもあれば、四輪車と単車であるケースなどもあります。

たとえば、車間距離を十分に取っていなかった場合や前方の車両が急ブレーキを踏んだケースなどでは、追突事故が発生しやすいです。

追突事故の過失割合

クマ
追突事故でも過失が0にならない場合もあるの?

シカ
前方の車が急ブレーキを踏んだ時には、過失割合があがってしまうから注意しよう。

追突事故が起こった場合の過失割合は、どのくらいになるのでしょうか?

基本的には、追突車が100%となる

車両は、道路を走行するとき、前方車両との間の車間距離を十分にとって、安全に運転しなければなりません

また、前方の車両やその他の車両、歩行者などに注意して走行すべき義務も負っています。

それにもかかわらず、十分な車間距離を取っていなかったり速度を出しすぎたりして追突して事故を起こしているので、後方の車両には大きな過失があります。

そこで、追突事故の場合、基本的に後方の車両の過失が100となります。

前方の車両は、きちんと道路交通法を守って普通に運転している限り、過失が認められず、過失割合は0%となります。

前方の車両が急ブレーキを踏んだケース

ただし、前方の車両にも過失が認められるケースがあります。

それは、前方車両が不必要に急ブレーキを踏んだケースです。

急ブレーキを踏むと危険ですから、道路交通法において、不必要に急ブレーキを踏む行為は禁止されています。

そこで、急ブレーキを踏んだ場合、前方の車両にも危険を発生させた責任があると言えます。

この場合の過失割合は、前方の車両が30%、追突した車両が70%となります。

急ブレーキに至らない程度のブレーキや運転操作の不適切があった場合には、前方車両の過失割合が20%、追突車両の過失割合が80%程度となります。

過失割合が修正されるケース

基本的な過失割合は上記の通りなのですが、ケースによっては、「修正要素」により修正される可能性があります。

たとえば、事故現場が住宅地や商業地であれば、後方車両の注意義務が高まるので、追突車の過失割合が上がります。

追突車が速度超過違反をしていたら、やはり追突車の過失割合が上がります。

事故現場が幹線道路上で、前方車両が急ブレーキを踏むと、より危険性が高まるので、前方車両の過失割合が上がります。

前方車両のブレーキランプが故障しているのに急ブレーキを踏んだケースでも、前方車両の過失割合が上がります。

このように、追突事故の場合、「基本的には過失割合が1000」と言っても、必ずしもそうなるとは限らないので、注意が必要です。

追突事故で多い「むちうち」の症状とは

クマ
むちうちってどんな症状なの?

首や腰が痛くなってしまうと、むちうちと呼ばれる症状なの?


シカ
痛みだけではなく、しびれやめまいなどの症状が出る人もいるんだよ。

むちうちはその日のうちに症状が出にくいため、注意が必要だよ。

追突事故の被害に遭うと、被害者側は「むちうち」になることが非常に多いです。

むちうちとは、後ろから急激な力が加わることにより、首の「頸椎」が不自然な形にしなってしまい、損傷を受ける傷害です。同じように、腰の「腰椎」が損傷を受けることもあります。

むちうちになると、肩や背中、腕などに痛みやしびれなどの不快な症状が出ます。

全身のだるさやめまいや耳鳴り、不眠などの症状が出ることもあります。

また、むちうちになっても、交通事故直後は「症状が出ない」ことも多いです。

むちうちの症状は、23日くらい経過してから現れることがあるためです。

そのため、むちうちになっても、すぐに病院に行かない人がいます。

しかし、事故当初から病院にいっておかないと、後に保険会社から、治療費や慰謝料などの支払いを受けられなくなってしまう可能性があるので、注意が必要です。

追突事故に遭ったら、その場で痛みやしびれなどを感じなくても、すぐに病院(整形外科)を受診しましょう。

追突事故で、過失割合が0%になったら、1人で保険会社に対応しなければならない

クマ
なんで過失が0だと、加入している保険会社は示談交渉をしてくれないの?

シカ
保険会社の利害にならない交渉は、弁護士以外してはいけないという決まりがあるんだよ。

ところで、追突事故に遭うと、基本的に追突された方の車両の過失割合が0%になると説明しました。

過失割合が0%になると、過失相殺が行われないので、発生した損害の全額を加害者に請求できることになります。

このことは、被害者にとって良いことと言えます。

過失割合が0だと、保険会社が示談交渉を代行してくれない

しかし、悪いこともあります。

それは、自分が加入している保険会社が、示談交渉の代行をしてくれないことです。

通常、任意保険に加入している場合、「対人賠償責任保険」に入っています。

対人賠償責任保険には、「示談代行サービス」がついています。

示談代行サービスとは、加入者が交通事故を起こしたときに、保険会社が相手と示談交渉をしてくれるというサービスです。

 

日本には、弁護士法という法律があります。

弁護士法では、弁護士以外のものが、報酬をもらって法律事務を行うことが禁止されています。

代理による示談交渉の代行も法律事務になるので、保険会社が加入者の代わりに示談交渉を行うことは、弁護士法に抵触する行為になりそうです。

ただ、対人賠償責任保険に加入しているときに交通事故を起こすと、保険会社は事故の相手(被害者)に賠償金を支払わなければなりません。

そこで、保険会社にとって、賠償金額の決定は自らの利害に関わることと言えるので、加入者の代わりに示談交渉を代行することができるのです。

過失割合が0だと、被害者は示談交渉で不利になってしまうことが多い

ところが、被害者の過失割合が0%の場合、被害者は相手に賠償金支払い義務を負いません。

すると、保険会社が示談交渉を代行するための基礎が成り立たないのです。

そのため、追突事故で被害者の過失割合が0%の場合、保険会社は示談交渉を代行してくれません

被害者は、完全に1人で加害者の保険会社と示談交渉を進めていかなければならないのです。

相手は巨大企業で、日頃から大量の交通事故事件を処理しているプロであるのに対し、被害者は単なる一個人で、通常交通事故対応は初めての方が多いでしょうから、被害者と加害者の間には、大きな力の差が発生します。

追突事故の示談交渉では、被害者が不利な立場になってしまうことが、非常に多いのです。

追突事故で予想される保険会社の対応と正しい対処方法

クマ
保険会社はどんな方法で、賠償金を少なくしてくるの?

シカ
治療打ち切りや過失割合の見直しなどを行ってくるよ。

すぐに応じてしまう事がないように注意しよう。

追突事故で被害者が相手の保険会社とやり取りを進めるとき、どのような対応が予想されるのでしょうか?

以下で、よくある保険会社の主張を紹介します。

治療費を打ち切る

追突事故で被害者がむちうちになったら、通院治療を継続しなければなりません。

治療費は、交通事故で発生した損害ですから、加害者や保険会社に支払い義務があります。

そのため、事故当初から、相手の保険会社が直接病院に対して治療費を支払ってくれることが多いです。

ところが、通院期間が長くなってくると、加害者の保険会社の担当者は、「そろそろ、治療は終了する時期です」などとして、治療を辞めるように言ってきます

それでも被害者が通院を辞めないと、一方的に治療費打ち切りにされてしまうことがあります。

そうなると、被害者としては、治療費を自腹で払わなければならないので、困ってしまうことが多いです。

対処方法

このように、保険会社が治療費を一方的に打ち切ってきたとき、通院を辞めてはいけません。

交通事故の賠償金は、症状固定するまでの分が基準になるからです。

たとえば、治療費は症状固定時まで治療期間分が支払われますし、慰謝料も症状固定するまでの期間分の計算となります。

もし、症状固定前に治療をやめてしまったら、必要な治療費や慰謝料の支払を受けられなくなってしまうのです。

そのような事がないように、通院治療は、必ず医師が「症状固定しました」と判断するまで継続しましょう。

相手の保険会社が治療費を打ち切ったら、健康保険を使って通院をすることをお勧めします。

保険組合や市町村に対し「第三者行為による傷病届」という書類を提出すると、健康保険を使って治療を受けることができます

交通事故が労災のケースでは、労災保険を使って通院を継続することも可能です。

過失割合を争ってくる

追突事故に遭った場合、必ずしも過失割合が0%になるとは限らない、と説明しました。

急ブレーキを踏んだ場合はもちろんのこと、それに至らない不適切な行為があった場合にも、被害者に一定の過失割合が認められます。

そこで、相手の保険会社は、「被害者にも何らかの過失があった」と主張してくる可能性があります。

たとえば、被害者がブレーキを踏んでいないのに「減速した」などと主張されることもあります。

対処方法

このような場合、必ずしも相手の主張を受け入れる必要はありません。

まずは、事故当時に作成された実況見分調書を入手したりドライブレコーダーの画像を確認したりして、事故の状況を確認しましょう。

特に被害者に落ち度がないなら、過失割合は0%ですから、賠償金を減額されることはありません。

示談交渉では、保険会社の言い分に根拠がないことも多いので、流されないことが大切です。

治療費・慰謝料を値切る

保険会社との示談交渉において、相手が慰謝料相場よりも値切ってくることもよくあります。

たとえば、通院中に通院頻度が低い場合などには、「実通院日数が短いので、入通院慰謝料を減額する」と言われることがあります。

また、通院中のカルテを見て、被害者の主張が変遷していたり、積極的な治療が行われていなかったりすると、「本当は、早い段階で治癒していたはずだから、その時点までの治療費や慰謝料しか支払えない」などと言われることもあります。

対処方法

治療費や慰謝料を値切られないためには、通院方法に注意が必要です。

まずは、整骨院ではなく、整形外科などの病院を受診することです。

整骨院に行きたい場合には、整形外科の医師の同意を得てからにしましょう。

そして、通院の頻度も重要です。

最低でも、週に34回は通院するようにしましょう。

このことで、相手から「通院日数が少ないから慰謝料を減額する」などと言われずに済みます。

さらに、通院中、医師に対しては「一貫した主張」をするよう心がけましょう。

ときによって痛む箇所が異なるようなことを言っていると、後になって整合性がとれず「ずいぶん以前の時点で、すでに完治していたのではないか」「虚偽ではないか」などと言われてしまうからです。

上記のようなことに注意していたら、後になって保険会社から、治療費や慰謝料の減額を主張される隙がなくなります。

示談の流れ

クマ
示談交渉に進むまでの流れを教えて!

シカ
まずは症状固定まで、しっかりと通院することが大切だよ。

追突事故発生後の示談の流れは、以下のようなものとなります。

  • 交通事故発生
  • 通院開始
  • 症状固定

必ず症状固定するまで通院することが重要です。

そうしないと、慰謝料や治療費が支払われなくなります。

  • 後遺障害の認定
    追突事故でむちうちなどになると、後遺障害等級認定となるケースがあります。
    適切な方法で後遺障害等級認定請求をして、確実に認定を受けましょう。後遺障害慰謝料を受け取るだけでも、示談金は大幅にアップします。
  • 示談交渉開始
    症状固定したら、示談交渉を開始します。
    相手の保険会社から連絡があることも多いですが、連絡がない場合、被害者から連絡してもかまいません。
  • 示談成立
    示談交渉により、お互いが合意をしたら、示談が成立します。
  • 保険金(賠償金)の支払い
    示談が成立したら「示談書」を2通作成します。
    被害者及び加害者側が示談書に署名押印をしたら、速やかに保険会社から保険金が支払われます。

示談する前に注意する事

クマ
示談交渉をする場合には、どんな事に注意したら良いのかな?

シカ
すぐに示談書にサインしてしまうのではなく、専門家の意見を聞いてみるのがお勧めだよ。

示談書には、簡単に署名押印しない

追突事故で相手の保険会社と示談交渉をしていて、お互いに合意ができたら示談が成立します。

ただ、相手の保険会社は、まだ合意が完全に形成されたとは言えない段階でも、示談案として、示談書を送ってくることがあります。

そこには「署名押印して返送するように」と書かれていることも多いです。

このようなとき、指示されるままに示談書に署名押印すると、非常に危険です。

いったん示談書に署名押印したら、その内容で賠償方法が確定してしまうからです。

後から、「本当はもっと被害者請求ができたはず」だとわかっても、もはや示談をやり直すことはできません。

まずは、弁護士に相談しよう

そこで、相手の保険会社から示談書が送られてきても、すぐに署名押印をせず、内容を確かめましょう。

このとき、弁護士に相談に行く方法がもっとも有効です。

弁護士に示談書を見せると、その内容が妥当かどうか、判断してもらえるからです。

たいていの場合、相手の主張する賠償金の金額が不当に低いので、「示談すべきではありません」と言われるでしょう。

その場合、弁護士に示談交渉を任せたら、賠償金が大きくアップする可能性が高いです。

交通事故の賠償金計算基準には、任意保険基準と弁護士基準があります。

被害者が示談交渉をするときには低額な任意保険基準を適用されるので賠償金が小さくなりますが、弁護士に示談交渉を任せると、高額な弁護士基準が適用されるので、それだけで賠償金が2倍以上になることも少なくありません

交通事故で、示談交渉をする前に、弁護士に相談をして、できれば示談交渉を任せてしまうことが、賠償金アップのコツです。

追突事故では、弁護士費用特約を使おう!

クマ
弁護士費用を支払わずに弁護士に依頼する方法があるって聞いたんだけれど、どんな方法なの?

シカ
被害者自身が加入している任意保険のオプションで、弁護士特約が付いている場合には、弁護士費用がかからずに、弁護士に依頼できるんだよ。

追突事故に遭うと被害者の過失割合が0%となって、自分の保険会社が示談交渉を代行してくれないことが多いです。

その場合、「弁護士費用特約」を利用されることをお勧めします。

弁護士費用特約とは、交通事故の法律相談をしたり示談交渉や訴訟を依頼したりするときの弁護士費用を、保険会社が負担してくれるものです。任意保険に入るとき、特約としてつけることができます。

弁護士費用特約を使ったら、弁護士に示談交渉を依頼したときの着手金、報酬金、実費などを全額保険会社が負担してくれるので、被害者は支払いをする必要がありません

限度額は300万円までとなっているので、相当大きな交通事故でも、被害者の負担が0になります。

300万円を超える場合、超えた部分だけを負担すれば足ります。

自分の自動車保険だけではなく、家族が加入している自動車保険の弁護士費用特約を利用できることも多いので、追突事故に遭ったら、一度、各種の自動車保険に「弁護士費用特約」がついていないか、確認すると良いでしょう。

まとめ

クマ
追突事故の場合、自分で交渉を進めなければいけないんだね。

わからない事ばかり出てきそうで不安だよ・・・


シカ
そんな時には、弁護士に依頼するのがお勧めだよ。

スムーズに示談交渉を進めるだけではなく、示談金のアップも可能となるんだよ。

追突事故に遭うと、被害者にはまったく落ち度がないのにむちうちなどの症状が出て、被害者は苦しむことになります。

保険会社が示談交渉を代行してくれないので、加害者の保険会社から直接心ないことを言われて傷つくケースも多いです。

このようなとき、被害者のサポートをしてくれるのは弁護士です。

弁護士費用特約を利用できるケースではもちろんのこと、適用がない場合であっても、一度交通事故トラブルに注力している弁護士の無料相談を利用して、アドバイスを受けましょう。

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福谷陽子

福谷陽子

京都大学在学中に司法試験に合格し、多重債務(債務整理)、離婚問題や交通事故、相続などの案件を担当し、自身で弁護士事務所を運営。その後体調不良により弁護士事務所を一時閉鎖し、現在は10年間の弁護士経験を元に執筆に専念。

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