今回の記事では、山本賢一元弁護士の横領事件についてチェックしていくのと共に、同じような被害に遭ってしまうことがないように、弁護士選びのポイントについて解説していくよ!
先日、長野県の「山本賢一」という弁護士(すでに退会して登録抹消済)が依頼者の交通事故示談金3,000万円を横領した、との報道がありました。
賠償金が3,000万円にもなっているので、相当大きな交通事故だったと考えられます。
被害者は重度の後遺障害を負ったにもかかわらず賠償金を弁護士に横領されたのですから、大変ショッキングな事件といえるでしょう。
今回は山本賢一元弁護士による横領事件がどういったものだったのかをご説明し、みなさんがこのような目に遭わないように「失敗しない弁護士の選び方」もご紹介します。
弁護士の不祥事が気になっている方、信頼できる弁護士を探したい方はぜひ、参考にしてみてください。
山本賢一氏(元弁護士)の交通事故示談金横領事件とは
まずは山本賢一氏(元弁護士)による横領事件がどういったものだったのか、ご説明します。
交通事故の示談金を横領した経緯
山本賢一氏は、2016年9月に起きた交通事故の被害者から保険会社との示談交渉の依頼を受けていました。
被害者は重度の障害を負い、自分では財産管理を適切にできない状態となったため、2018年3月に山本賢一氏が「成年後見人」に就任しました。
被害者には妻がいましたが、妻は外国人で日本語も自由ではなく、意思疎通や適切な財産管理が難しい状況でした。
成年後見人とは、判断能力が不十分な人のために代わって財産管理を行う人です。
裁判所への申し立てによって選任してもらいます。
そして山本賢一氏は被害者の成年後見人として保険会社と示談交渉を進め、3,000万円の保険金を受け取りました。
もちろんこのお金は被害者のものなので、被害者名義の口座でしっかり管理して被害者のために使わねばなりません。
しかし山本賢一氏は、この保険金を横領してしまったのです。
2018年から2020年にかけて3回にわたり、「着手金」や「報酬金」などの名目で自分の業務用口座に振り込んでしまいました。
事件発覚の経緯
山本賢一氏による横領事件が明るみに出たきっかけは、関係者からの告発といわれています。
その後、山本賢一氏が所属していた長野県弁護士会の調査により、横領の全容が明らかになりました。
このとき、山本賢一氏は横領をごまかすために示談書から「3,000万円」の記載を削除したり通帳の印字を書き換えたりしていたようです。
しかしそのようなごまかしは通用せず、結局はすべてが明らかになりました。
最終的に、山本賢一氏は長野県弁護士会による聞き取りに対して疑いを認めるに至り、一応被害金は全額返還されました。
山本賢一元弁護士の処分
山本賢一氏が横領した金額は3,000万円と大金です。
自分が依頼者の成年後見人になった立場を利用していることも含め、極めて悪質な行為といえるでしょう。
社会の弁護士に対する信頼を大きく失墜させる問題行動です。
そこで弁護士会は山本賢一氏に「退会命令」を出し、弁護士登録が抹消されました。
今、山本賢一氏は弁護士として活動をすることはできない状態になっています。
ただし被害者が告訴しなかったため、現時点では刑事事件になっていません。
山本賢一氏の事件から学べること
たとえ横領のような事が行われなかったとしても、弁護士によっては、依頼者が不安に感じてしまう対応の弁護士もいるから注意しなければいけないよ。
山本賢一氏は、長野県内で「山本法律事務所」という弁護士事務所を開き、普通に営業していました。
依頼者は何の疑問も持たずに山本氏に交通事故の示談交渉を依頼したと考えられます。
しかし結果としては「3,000万円の示談金を横領される」という大変な被害に遭いました。
このお金は、本来重度の後遺障害を負った被害者の今後の生活や介護、日本語の不自由な外国人の妻の生活費に充てられる重要なお金だったはずです。
それを横領して自分の口座に振り込んだのですから、弁護士以前に人として許されがたい行為ともいえるでしょう。
交通事故の示談交渉や後遺障害認定を依頼するときには、このような問題のある弁護士を選ばないよう注意が必要です。
弁護士選びを間違うと、本件の依頼者のように大変な不利益を受けてしまう可能性もあります。
横領以外にも弁護士の問題行動は多い
「横領」という極端な犯罪行為まで至らなくても、弁護士による問題行動は多々あります。
たとえば以下のような場合、せっかく交通事故の対応をお願いしても、依頼者は大きなストレスを抱えてしまうでしょう。
- 費用が高額過ぎる
- 連絡がとれない(電話やメールをしても返事がない)
- 高圧的で話を聞いてくれない
- 説明なしに勝手に弁護士の考えで解決しようとする
- 依頼者が訴訟を望んでいるのに無理矢理示談してしまう
上記のようなケースはいちいち事件にならず報道もされません。
ただ依頼者と弁護士とのトラブルは日常茶飯事といってよいほど起こっているので、注意が必要です。
交通事故で信頼できる弁護士事務所を探す方法
かかる金額や実績などを調べて、良さそうな弁護士事務所が見つかったら直接弁護士に会ってみる事!
どんなに良い情報ばかりの弁護士でも、自分に合わない弁護士に依頼してしまうと、解決までスムーズに進まない可能性が高くなってしまうから注意しよう。
交通事故に遭ったとき、信頼できる弁護士を探すには以下のような方法を実践してみてください。
情報収集
まずはできるだけたくさんの情報を集めましょう。
交通事故を取り扱っている弁護士にはどのような人がいるのか、お住まいの地域にどのくらい弁護士がいるのか、アクセスしやすい場所に弁護士事務所があるのか、などです。
口コミがあれば、内容を確認してみてください。
ただし口コミは個人の感想なので、信頼しすぎるのは危険です。
その人にとっては良い弁護士でもあなたにとっては悪い弁護士かもしれませんし、その逆もあり得ます。
今はインターネットで情報が開かれているので、まずはポータルサイトや法律事務所のHPなどを確認して多くの情報を収集しましょう。
交通事故案件の実績が多い弁護士を探す
交通事故対応を依頼したい場合には、「交通事故の解決実績が高い弁護士」を探しましょう。
弁護士にはいろいろな取り扱い分野があるからです。
交通事故をあまり熱心に取り扱っていない弁護士に依頼しても、あまり良い結果は得られない可能性があります。
HPの記載内容などを見て、交通事故を専門に扱う弁護士を探すのがお勧めです。
費用を確認
弁護士に依頼する前に、必ず費用体系を確認しましょう。
どんなに腕の良い弁護士でも費用が高すぎると依頼者にとっては不利益となります。
HPに「弁護士費用」が掲載されている事務所も多いので、ページを開いてだいたいの金額を把握しましょう。
ただ弁護士費用の計算方法は、一般の方には非常にわかりにくいものです。
サイトにすべての費用が書かれていないケースもよくあります。
不明なところがあれば、実際に面談したときに弁護士に直接尋ねてみてください。
依頼前に「何にどのような費用がいくらかかるのか」しっかり説明を受けて納得してから委任契約を締結しましょう。
実際に会って人となりを確認する
弁護士に交通事故の案件を依頼するときには、必ず「相性」を確認してください。
どんなに良い弁護士でも、相性が合わないと依頼者はストレスを感じます。
連絡を取りづらくなったり、弁護士からの提案に素直に従う気持ちになれなかったりして、スムーズに解決できなくないリスクが高まります。
依頼前に必ず無料相談などを利用して弁護士と対面で話してみましょう。
「信頼できそう」「この人にならすべて任せてもかまわない」と思える人に依頼することが大切です。
「合わないかもしれない」「話しにくい」と感じるなら、たとえ評判の良い弁護士でも依頼しない方が良いでしょう。
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普段交通事故を扱っていない人や、あまり得意でない人は含まれていません。
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弁護士に依頼するなら、できるだけ自宅や職場近くのアクセスの良い弁護士がお勧めです。
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交通事故について、トータルでサポートしてもらえる
弁護士に交通事故の対応を依頼すると、トータルでサポートしてもらえます。
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- 示談交渉の代行
- 適切な過失割合の計算と適用
- 後遺障害認定
- 訴訟や調停などの対応
- 賠償金の受け取りと計算
事故直後から示談金を受け取るまで、示談交渉だけではなく、後遺障害認定の手続きにも対応してもらえます。
弁護士が後遺障害認定の手続を代行すると、被害者が自分で手続きするより認定を受けやすくなるでしょう。
労力もかかりません。
過失割合に納得できないときにも弁護士に依頼したら、事故の状況に応じた適正な数値をあてはめてもらえます。
賠償金が増額される
弁護士が示談交渉を代行するときには「弁護士基準」という高額な賠償金計算基準を適用します。
被害者が示談交渉するときの保険会社の基準よりも大幅に高いケースが多いので、弁護士に依頼するだけで慰謝料がアップする可能性が大きく高まります。
「弁護士に依頼するだけで慰謝料が増額されるなんて、信じられない」と思う方は、1度弁護士に無料相談をして「どのくらい賠償金がアップするか」聞いてみてください。
納得できる金額を提示されたら依頼したら良いですし、納得できなければ依頼しなければ良いだけです。
何もしなければ納得できないまま示談して賠償金を減らされる可能性があります。
不利益を避けるため、まずは良さそうな弁護士を見つけて相談を申し込むところから行動してみてください。
福谷陽子
京都大学在学中に司法試験に合格し、弁護士として約10年間活動。うち7年間は独立開業して事務所の運営を行う。
実務においては交通事故案件を多数担当し、示談交渉のみならず訴訟案件も含め、多くの事件に関与し解決。
現在はライターとして、法律関係の記事を執筆している。
■ご覧のみなさまへのメッセージ:
交通事故に遭うと、今までのように仕事を続けられなくなったり相手の保険会社の言い分に納得できなかったりして、被害者の方はさまざまなストレスを抱えておられると思います。
そんなとき、助けになるのは正確な法律知識とサポートしてくれる専門家です。まずは交通事故の賠償金計算方法や示談交渉の流れなどの基本知識を身に付けて、相手と対等に交渉できるようになりましょう。
お一人で悩んでいるとどんどん精神的にも追い詰められてしまいます。専門家に話を聞いてもらうだけで楽になることも多いので、悩んでおられるなら一度弁護士に相談してみると良いと思いますよ。